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「秩父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秩父の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
ぶった背の低い男が、吹流しの下で、馬鹿踊を踊っているのである。 ひょっとこは、秩父銘仙《ちちぶめいせん》の両肌をぬいで、友禅《ゆうぜん》の胴へむき身絞《みしぼ....
老年」より 著者:芥川竜之介
目がなくなってからは、行く張合《はりあい》がなくなったのであろう。今も、黄いろい秩父の対《つい》の着物に茶博多《ちゃはかた》の帯で、末座にすわって聞いているのを....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
の上になってるので、利根川は勿論中川までもかすかに見え、武蔵一えんが見渡される。秩父から足柄箱根の山山、富士の高峯《たかね》も見える。東京の上野の森だと云うのも....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
おきたいと思う。 一九三五年四月 世田ヶ谷の寓居にて 著者 序、騎西一家の流刑地秩父《ちちぶ》町から志賀坂峠を越えて、上州神ヶ原の宿《しゅく》に出ると、街を貫い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い十一月の末であるから、表はすっかり暗くなっていた。しかも昼間から吹きつづけてた秩父|颪《おろし》がいつの間にか雪を吹き出して、夕闇のなかに白い影がちらちらと舞....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い煙りが今更のように眼について、火事早い江戸に住む人々の魂をおびえさせる秋の風が秩父の方からだんだんに吹きおろして来た。その九月の末から十月の初めにかけて、町内....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
妾のお関が他人に殺害された。下手人《げしゅにん》は中間の伝蔵であった。伝蔵は武州秩父の生まれで、あしかけ六年この屋敷に奉公していたが、この四月頃から女中のお熊と....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
黒門、日比谷図書館、松村図書館など多数。 とくに二十三、二十五日の東京空襲では秩父宮、三笠宮、閑院宮、東伏見宮、伏見宮、山階宮、梨本宮、北白川宮の各宮邸、東久....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「寺男の源右衛門というのは幾つで、どこの生まれですか」 「源右衛門は二十五歳、秩父の大宮在の生まれでござります」 「これも若いのですね」 「源右衛門は門内の花....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
行り、十三枚十五枚などがある。揚げるのは浅草とか、夜鷹の出た大根河岸などでした。秩父屋というのが凧の大問屋で、後に観音の市十七、八の両日は、大凧を屋の棟に飾った....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
しらせてきた。敵機は折からの闇夜を利用しいつの間にか防空監視哨の警戒線を突破し、秩父山脈を越えて侵入してきたものらしい。立川飛行連隊の戦闘機隊はすでに出動してい....
凧の話」より 著者:淡島寒月
ったが、それらは大人が揚げたものであった。 私のいた日本橋|馬喰町の近くには、秩父屋という名高い凧屋があって、浅草の観音の市の日から、店先きに種々の綺麗な大き....
」より 著者:岡本綺堂
した。その女は小雛でしょう。」 「君もなかなか勘がいいね。女は柳橋の小雛で、男は秩父の熊吉、この熊吉は巾着切から仕上げて、夜盗や家尻切まで働いた奴、小雛はそれと....
深川女房」より 著者:小栗風葉
両刳りの駒下駄と傘とを、次の茶の間を通り抜けた縁側の隅の下駄箱へ蔵うと、着ていた秩父銘撰の半纏を袖畳みにして、今一間茶の間と並んだ座敷の箪笥の上へ置いて、同じ秩....
快走」より 著者:岡本かの子
の陽はみるみるうちに西に沈んで、桃色の西の端れに、藍色の山脈の峰を浮き上らせた。秩父の連山だ! 道子はこういう夕景色をゆっくり眺めたのは今春女学校を卒業してから....