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称す
「称す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
称すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
《いばら》の中に薔薇《ばら》の花の咲いた天国であろう。そこにはまた「あきらめ」と
称する絶望に安んじた人々のほかには犬ばかりたくさん歩いている。もっとも犬になるこ....
「父」より 著者:芥川竜之介
己《おれ》」と云うのを得意にする年輩《ねんぱい》である。その自ら「己《おれ》」と
称する連中の口から、旅行の予想、生徒同志の品隲《ひんしつ》、教員の悪評などが盛ん....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
や》かずにはいられませんでした。あいつと云うのは別人でもない、三浦の細君の従弟と
称する、あの色の浅黒い縞の背広だったのです。ですから私は雨の脚を俥の幌に弾《はじ....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
か噂のある抱一《ほういつ》の三味線の話などをしていた。
そこへまた筋肉労働者と
称する昨日《きのう》の青年も面会に来た。青年は玄関に立ったまま、昨日貰った二冊の....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
利耶観音《マリヤかんのん》を卓子《テーブル》の上へ載せて見せた。
麻利耶観音と
称するのは、切支丹宗門《きりしたんしゅうもん》禁制時代の天主教徒《てんしゅきょう....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
らるる小人《ピグミイ》の銅像を建設することでもない。ペンキと電灯とをもって広告と
称する下等なる装飾を試みることでもない。ただ道路の整理と建築の改善とそして街樹の....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
ぱく》を押した歩衝《ついたて》である。Kの説によると、これを「手摺《てす》り」と
称するので、いつでも取壊せるように出来ていると云う。その左右へは、新しい三色緞子....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
奸智《かんち》に富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみだ》と
称する仏の道を説いた。その後《ご》また日本の国へも、やはり同じ道を教《おしえ》に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ほど、道徳家でないには相違なかった。けれども彼には近藤の美的|偽善《ぎぜん》とも
称すべきものが――自家の卑猥《ひわい》な興味の上へ芸術的と云う金箔《きんぱく》を....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
り》じゃありませんか。林木なぞの設色《せっしょく》も、まさに天造《てんぞう》とも
称すべきものです。あすこに遠峯が一つ見えましょう。全体の布局《ふきょく》があのた....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
、問題にしなかっただけのことだ。
私の考えるところによれば、おのずから芸術家と
称するものをだいたい三つに分けることができる。第一の種類に属する人は、その人の生....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の要所を抄出することにする。―― 『本書の大部分を構成するものは、所謂自動書記と
称する方法で受信したものである。これは直接書記と区別せねばならない。前者にありて....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
とは久米正雄君の日本語彙に加えたる新熟語なり。久保田君の時に浮ぶる微笑も微苦笑と
称するを妨げざるべし。唯僕をして云わしむれば、これを微哀笑と
称するの或は適切なる....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
任の大半は吉田総理それ自体が負わなければならないのであります。しかも、行き過ぎと
称するものは、おおむね進歩的政策であって、是正せんとする方向は、反動と逆コースで....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
あまあ居士」と言われる所以かもしれない。社会党の如き大衆団体の中にはまとめ役とも
称す可きものはあってもいいと思う。社会党にかけて居たのは斯かる役割の人ではないかと思う。....