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称揚
「称揚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
称揚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「盲人独笑」より 著者:太宰治
に及び、勾当の性行逸事等を聞きて音楽の妙手たりしのみならず、其他種々の点に於ても
称揚すべきもの多かりしを知りぬ。云々。」とあって、その職は史料編纂官、その生まれ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て居り、爾して盛んに毛嫌いをするのです、当派の中から出た発明は詰らぬ事でも互いに
称揚して大きな事の様に言い做し、寄って集《たか》って広く売り附ける様にしますが当....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
た。茶は風流な遊びではなくなって、自性了解の一つの方法となって来た。王元之は茶を
称揚して、直言のごとく霊をあふらせ、その爽快な苦味は善言の余馨を思わせると言った....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
べ「さり乍ら、今日の御働き、大軍に打勝れた武勇の有様、古の名将にもまさりたり」と
称揚した。 幸村の一子大助、今年十六歳であったが、組討して取たる首を鞍の四方手....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
に従事せり。ああ、これ先生の一世の知識を開拓して余りありし所以なるか。ヴォルテル
称揚して言えらく、「人類の偉業を失うや久し、モ君出でてこれを回復しこれを恢張せり....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
のものの批判の標準を西洋人の頭の中へ置くのであるから、西洋人の全然知らない従って
称揚しない連句が問題にならないのもやむを得ない次第であろう。そのうちにだれか西洋....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
と眺めておいたらよかったと思う。しかしその便利なものは直ちに用いるところの勇気は
称揚すべきである。 ともかくも私はいつも新時代のいの一番を試み相勤める人達の勇....
「連環記」より 著者:幸田露伴
、うなずかせたもうたということであった。こういう文時の詩文は菅三品の作として今に
称揚せられて伝わっているが、保胤は実に当時の巨匠たる此人の弟子の上席であった。疫....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
方である諸新聞は、事件には言及しなかったが、筆をそろえて彼女の技倆《ぎりょう》を
称揚し、彼女が歌った歌曲《リード》は、ただ報道として列挙したにすぎなかった。クリ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の一人、他の教会のフランス人らと戦っていた一人の将軍は、ヴェルキンゲトリックスを
称揚して反僧侶的な演説を試みた。自由思想派が銅像をささげたこのガリアの首領が、平....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
となしてしまった。それは前から容易にわかってることだった。クリストフは、ゲーテが
称揚した「無感謝」という徳を、天から授かっていた。ゲーテは皮肉にこう書いている。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てやればいい。ごく簡単なことだ。しかし助けることと、今日人がしているように彼らを
称揚することとには、遠い隔たりがある。近来、もっとも強い者の忌むべき権利が削減さ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。フランスパンの製造のことでは皆が苦労したのであったのに、長束が成功して彼だけが
称揚され銀時計をもらった。長束はうまいことをした、我々も苦心においては長束に劣ら....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
女の子を集めてお手玉をしたり毬をついたりして無邪気な遊びをして帰るを真の通人だと
称揚していた。少くも緑雨は遊ぶ事は遊んでもこの通人と同じ程度の遊びだと暗に匂わし....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
暗流に良く通じていたが、露西亜の官民の断えざる衝突に対して当該政治家の手腕器度を
称揚する事はあっても革命党に対してはトンと同感が稀く、渠らは空想にばかり俘われて....