» 移し

「移し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

移しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
しょうか。私が井戸|端《ばた》で楊枝《ようじ》を使っていると、妻は台所で釜の飯を移している。――その上へ家がつぶれました。それがほんの一二分の間の事で、まるで大....
十円札」より 著者:芥川竜之介
曜日の日暮れである。保吉は下宿の古籐椅子《ふるとういす》の上に悠々と巻煙草へ火を移した。彼の心は近頃にない満足の情《じょう》に溢《あふ》れている。溢れているのは....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
感じて、無言のまま、叮嚀《ていねい》にその会釈を返しながら、そっと子爵の側へ歩を移した。 本多子爵は壮年時代の美貌《びぼう》が、まだ暮方《くれがた》の光の如く....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
はこの書面へ眼を通すと、おもむろに行燈をひき寄せて、燈心《とうしん》の火をそれへ移した。火はめらめらと紙を焼いて、甚太夫の苦《にが》い顔を照らした。 書面は求....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ぬとあります。――」 お蓮は怯《お》ず怯《お》ず三枚の銭から、老人の顔へ視線を移した。 「まずその御親戚とかの若い方《かた》にも、二度と御遇《おあ》いにはなれ....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
あつ》い雨が降り出した。自分は書きかけの小説を前に、何本も敷島《しきしま》へ火を移した。 Sさんは午前に一度、日の暮に一度|診察《しんさつ》に見えた。日の暮に....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
しているのです。」 「妙な伝説?」 私は眼を麻利耶観音から、思わず田代君の顔に移した。田代君は存外|真面目《まじめ》な表情を浮べながら、ちょいとその麻利耶観音....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
ゴオのパイプをふかしに来る。この日も曇天の海を見ながら、まずパイプへマッチの火を移した。今日《きょう》のことはもう仕方がない。けれどもまた明日《あす》になれば、....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
作っているんだろう。」 洋一はいやな顔をして、自分も巻煙草《まきたばこ》へ火を移した。 「僕は兄さんのように受験向きな人間じゃないんだからな。数学は大嫌いだし....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
度に、上海《シャンハイ》だの北京《ペキン》だの天津《テンシン》だのへ一時の住いを移しながら、不相変《あいかわらず》達雄を思っているのです。勿論もう震災の頃には大....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
に二三分|前《まえ》の悲劇を語っていた。彼はほとんど、反射的に踏切の向う側へ目を移した。しかしそれは無効だった。冷やかに光った鉄の面《おもて》にどろりと赤いもの....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
が、急に気を変えたように、今度は三右衛門の数馬《かずま》を殺した当夜のことへ問を移した。 「数馬は確かに馬場の下にそちを待っていたのじゃな?」 「多分はさようか....
」より 著者:芥川竜之介
ら、しっかり白の頸《くび》を押えました。同時に白はお嬢さんの目へ、じっと彼の目を移しました。お嬢さんの目には黒い瞳にありありと犬小屋が映《うつ》っています。高い....
少年」より 著者:芥川竜之介
た。何か縫《ぬい》ものをしていた母は老眼鏡の額越《ひたいご》しに挿絵の彩色へ目を移した。彼は当然母の口から褒《ほ》め言葉の出るのを予期していた。しかし母はこの彩....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
飯をおしまいになると、今度は涼しい竹縁《ちくえん》の近くへ、円座《わろうだ》を御移しになりながら、 「では空腹が直ったら、都《みやこ》の便りでも聞かせて貰おう。....