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移り変り
「移り変り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
移り変りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
す。一度などは御二人で、私を御側近く御呼びよせなさりながら、今昔《こんじゃく》の
移り変りを話せと申す御意もございました。確か、その時の事でございましょう。御簾《....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
たが、 「お前の好運は尽きたのじゃぞ!」 と不意に鋭く叱※した。 「栄枯盛衰の
移り変りの如何に劇しく恐ろしいかという事を、汝其処に居て見るがよいわ!」 僧が....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
も蔽わず、マントルをかけたのは後年である。 ◇ 江戸から東京への
移り変りは全く躍進的で、総てが全く隔世の転換をしている。この向島も全く昔の俤は失....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
たちは世界のことは人が動かしてくれるものだときめているから勝手にまかせて、世相の
移り変りには風馬耳、その時々の愉しみを見つけて滑りこむ。日頃オサンドンの訓練、良....
「ヒノエウマの話」より 著者:坂口安吾
紀の昔から、干支というものが年代をはかる標準になっていた。西暦が百年周期で、世の
移り変りを観じているように、昔の日本は干支の六十年周期で世の推移を観じていたのか....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
そこで天草次郎は考えた。 すると、天啓が浮んできた。 天草商事も急変する世の
移り変りには勝てず、商運まったく行きつまり、借金で首がまわらない。なんとか起死回....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
れで、あの方の悪狡い企みをお聴かせ致しますが、やはりそれも同じ事で、今申した色の
移り変り。その時は、原因が周囲にあったのではなく、今度は小式部の眼の中にあったの....
「火の扉」より 著者:岸田国士
のだつた。その証拠に、彼はありとあらゆる空想に身をゆだね、極端から極端への気分の
移り変りを経験し、愛するものに冷やかな眼を向け、憎悪の念をかき立てるよろこびにひ....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
の神聖な職業であったのです。最初の精神はそういうものでありましたが、次第に社会の
移り変り、人間の所謂智慧の発達というようなことにつれて、世の中の仕事がいろいろ複....
「四季とその折々」より 著者:黒島伝治
へ帰ってくると、やっぱり安息はここにあるという気がしてくる。四季その折々の風物の
移り変りと、村の年中行事を、その時々にたのしめるようになったのは、私には、まだ、....
「車中有感」より 著者:上村松園
れて、ぼんやりと流れてゆく風景を眺めていることである。 いろいろの形をした山の
移り変りや、河の曲折などを眺めていると、何がなし有難い気持ちになって、熱いものを....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
あって、地球がこれまで何千年何万年にわたって、嫌というほど見て来たところの世代の
移り変りの一こまにすぎない。このアンチームな事実、これまで無数に繰り返され、これ....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
は、思い切って「テケツ」にならなければならない。 世相の変遷はこう云った言葉の
移り変りをキャッチすることによって、先ず端的にその「急所」を掴まえられるように思....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
との間には、極めてなだらかな連絡が保たれて、いつとはなしに、気のつかぬ程の自然の
移り変りを以て、彼らは日本人になってしまったのであります。 その事実の中で最も....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
てもあんなに立派でしょうが……」お母さんは感慨めいた調子で言った。同姓間の家運の
移り変りが、寺へ来てみると明瞭であった。 最後まで残った私と弟、妻の父、妻と娘....