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「移る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

移るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
を汚すより、以上の事のように思われる。もちろん自分には、あの女の心が、ほかの男に移るのも許されない。が、肌身をほかの男に任せるのは、それよりもなお、苦痛である。....
」より 著者:芥川竜之介
た。僕は土間《どま》のまん中に立ち、機械的に巻煙草に火をつけたりした。が、時間の移るにつれ、だんだん無愛想《ぶあいそう》な看守に対する憎しみの深まるのを感じ出し....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ど》り越えた。続いて二人、五人、八人、――見る見る僕の目の下はのべつに桟橋へ飛び移る無数の支那人に埋《うず》まってしまった。と思うと船はいつの間にかもう赤煉瓦の....
路上」より 著者:芥川竜之介
には、色鉛筆の赤い線が、何本も行《ぎょう》の下に引いてあった。そうしてそれが時の移ると共に、次第に頁から頁へ移って行った。…… 十二時半、一時、一時二十分――....
」より 著者:芥川竜之介
簇々《ぞくぞく》と重なり重なって、朝から午《ひる》へ、午から夕《ゆうべ》へ日影が移るのも忘れたように、竜王が姿を現すのを今か今かと待って居りました。 「すると恵....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
に、擽《くすぐ》られる時に似た笑い声を出した。 「今Sなる面積を通し、T時間内に移る熱量をEとするね。すると――好《い》いかい? Hは温度、Xは熱伝導《ねつでん....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
岩はほどなく彼の肩から、猪首の若者の肩へ移り出した。それはあたかも雲の堰が押し移るがごとく緩漫《かんまん》であった。と同時にまた雲の峰が堰《せ》き止め難いごと....
少年」より 著者:芥川竜之介
御存知ですか?」 保吉はもう一度顔をしかめた。宣教師は巧みにクリスト教の伝道へ移るのに違いない。コオランと共に剣を執《と》ったマホメット教の伝道はまだしも剣を....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
底から立つ瘴気《しょうき》のように、音もなく暗の中へ忍んで来て、そっと女の体へ乗移るのでしょう。お敏は次第に眼が据《すわ》って、手足をぴくぴく引き攣《つ》らせる....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ス・クリスト》が、ゴルゴダで十字架《くるす》を負った時の話になった。丁度この話へ移る前に、上人が積荷の無花果《いちじゅく》を水夫に分けて貰って、「さまよえる猶太....
或る女」より 著者:有島武郎
当たりはよくないが、当分の隠れ家《が》としては屈強だといったので、すぐさまそこに移る事に決めたのだった。だれにも知れないように引っ越さねばならぬというので、荷物....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の中での物語は一と先ずこの辺でくぎりをつけまして、これから第二の山の修行場の方に移ることに致しましょう。修行場の変更などと申しますと、現世式に考えれば、随分億劫....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、早くも学校当局の間に認められ、幾度か名誉賞を与えられた。一八五八年|牛津大学に移るに及びて、其英才はいよいよ鋒鋩を現したが、過度の勉強の為めにいたく心身を損ね....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
る男は、良平に「やい、乗れ」と云った。良平は直に飛び乗った。トロッコは三人が乗り移ると同時に、蜜柑畑の※を煽りながら、ひた辷りに線路を走り出した。「押すよりも乗....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
らない。時折場所を換えてはと思うこともあるが長い間ひと所にいると、なかなかよそに移る気があっても決断が出来ない。近所の人達も行くなと言うし、自分としても少しよく....