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移入
「移入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
移入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
自然形式としての表現について考えてみよう。自然形式といえば、いわゆる「象徴的感情
移入」の形で自然界に自然象徴を見る場合、たとえば柳や小雨を「いき」と感ずるごとき....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
田などの、燃ゆるような文壇的野心や、自惚《うぬぼれ》に近い自信が、俺にもいくらか
移入されていたせいかも知れない。高等学校にいた頃、寝室で皆が一緒に枕を並べて寝る....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たが、来てみると、地下一尺五寸にして水が出て、防空壕が深く掘れず、山国ゆえ食糧の
移入困難の恐れもあり、加えて陸軍大学等の諸官|衙がここへ疎開している上に軍隊がた....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
。 下町方面の養魚池はほとんど全滅したが、山の手は助かった。それに関西地方から
移入が出来るので、金魚そのものには不自由しなかったが、金魚桶の焼失は大打撃であっ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ウフェシススの作と云われているが、これを史家ベルフォーレは、十字軍によって北欧に
移入された純|亜剌比亜・加勒泥亜呪術の最初の文献だと云い、それが培って華と結んだ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を知る。花の真相を知る植物学者はみずから花であらねばならない。すなわち自己を花に
移入して花と一致しなければならない。この自他合一の心こそ愛である。 愛は実在の....
「連環記」より 著者:幸田露伴
那では古からあったことのようであるが、犠牲の観念は吾が神国にも支那の思想や文物の
移入と共に伝わったのではないか、既に今昔物語には人身|御供の物語が載っていて、遥....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
入ったと書いて識者の笑いを招いた事もある。越えて明治十年頃と思うが、始めて洋燈が
移入された当時の洋燈は、パリーだとか倫敦辺で出来た舶来品で、割合に明いものであっ....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
ある。むしろここから反転して利他主義に飛躍するのが道筋ともいえる。リップスの感情
移入の説はそのよき弾機であろう。他人の顔にある表情があらわれるのを見ると、同じ表....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
と思う。世間では大部分雷同して森文相の自由主義を攻撃していた。それでも外国文化の
移入は国粋思想の抵抗によってそれほどの影響も受けずに、むしろ両々相待って進んで行....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
させるに至つた。 なお、そのほかに、劇場機構の改革、社会思潮の変化、外国文物の
移入、などが原因となつて、演劇の相貌は急激に近代化し、複雑化し、自由奔放となつた....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
こういう極端な保護政策を取って外国貨物を塗絶しようとしているが、独り外国醜業婦の
移入に限っては殖民政策の必要から非常に歓迎し、上陸後もまた頗る好遇して営業の安全....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
は、藩祖伊達秀宗がかつて、奥州なる宗家から分れてここに入部した際に、郷土の舞踊を
移入したものだと謂われているのみならず、その歌詞にも確かに彼此共通の点があり、こ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
れたと解する事が出来ぬであろうか。現に四天王像や四十人体仏の如きは、明らかに後に
移入せられた証拠がある。さればこの古代遺物が多いとの事は、何ら天智天皇九年の火災....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
堺伝授、肖柏から林宗二に伝えたのが奈良伝授、当時奈良は旧都、堺は外国文化を京阪に
移入する唯一の貿易港自由都市として発達しはじめておったのであって、室町末期の文化....