稀に見る[語句情報] » 稀に見る

「稀に見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

稀に見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
人は三十をまだ越えたばかりの痩形の男で、顔の色はやや蒼白いが、この頃の殿上人には稀に見る精悍の気がその鋭い眼の底にあふれていた。彼はわざと拗《す》ねたのであろう....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
れは鎌倉以後三四年たった時分葉子が××誌から書かされたもので「麻川氏はその本性、稀に見る稚純の士であり乍ら、作風のみは大人君子の風格を学び備えて居る為めにその二....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
こちらの御盗難の場合においても、代償として別の画をはめていったものでありまして、稀に見る義理堅い――いや、憎みても余りある怪々賊であります」 「なるほど。これは....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
ていた。 「日本人の感覚を超越していますね」 「しかし人間の作ったものとしては、稀に見る力の籠り工合だ。超人の作った傑作――いや、それとも違う……魔人の習作だ。....
」より 著者:海野十三
た往来に出ていった。 5 それから二日後のことだった。 その日は、稀に見る蒸し暑い日だったが、午後四時ごろとなって、比野町はその夏で一番物凄い大雷....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らないが、かつて富豪の一族の娯楽場か何かであったかもしれない。 庭園の中央には稀に見るほどの巧みな彫刻を施した大理石の噴水の跡がある。それも今はめちゃくちゃに....
黒百合」より 著者:泉鏡花
から富山。 三十五 湯の谷の神の使だという白烏は、朝月夜にばかり稀に見るものがあると伝えたり。 ものの音はそれではないか。時ならず、花屋が庭|....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ればこそ大和武尊には無事に、あの災難を切りぬけることが出来たのじゃ。橘姫は矢張り稀に見るすぐれた御方じゃ。』 私はこの説明が果してすべてを尽しているか否かは存....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
で、彼自身霊媒能力を発揮した。 モーゼスの本領は自動書記であるが、しかし彼は、稀に見る多方面の霊媒であった。彼を通じて起った、主なる心霊の現象を挙ぐれば、(一....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
献身的に働いていることは何人も知っている。その主人公の深見氏もまた実業界において稀に見るの人格者として知られていて、財産もあり、男女二人の子供もあり、家庭もきわ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
たって当初の立案通りの過程を追って脚色の上に少しも矛盾撞着を生ぜしめなかったのは稀に見る例で、作者の頭脳の明澄透徹を証拠立てる。殊に視力を失って単なる記憶に頼る....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。清廉潔白百年|稀に見る君子人として世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦爛たる勲章より....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
うと悔しくなる。雄大な自然の中で、奔放な種馬が跳躍し交尾し歓喜する壮観は、それは稀に見るすばらしさだろうとも思える。それに光り輝く光線、風、草いきれ。 それに....
田螺」より 著者:北大路魯山人
あることだ。 田の中にざらにたくさんいるのを知るところから、誰しもが先入主的に稀に見る美食として重きをおかない習慣をつくる。食通は言い合わしたようにこれをよろ....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
なって現われる所は、いずれも美味そうに見える料理であって、真に美味い料理、それは稀に見る事実は別として、まず皆無と言ってよい。 刺身の如き加工少なきものは、高....