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稀世
「稀世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稀世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
顔容、其の振舞い見れば見るほど清くして殆ど超凡脱俗とも云い度い所がある、此の様な
稀世の婦人が何で賤しい罪などを犯す者か。
余が初めて秀子の犯罪をポール・レペル....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
いうことだよ」
2
「稀代の犯人?」
「そうさ。稀代の大犯罪人、
稀世の殺人鬼、比類なき大悪漢、いや暗黒街のナンバーワン。犯罪界のカイゼル、無比の....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、すぐに伺うゆえ、しばしおまちを――と、そう申して置いて下され」
出場だった。
稀世《きせい》の女がたは、楽屋を出て行った。
お初は、女中から、二度目の手紙が....
「荘子」より 著者:岡本かの子
たので、なやましき羅馬風の情熱さえ眉にあふれた。 彼女の驕慢も早く洛邑に響いた
稀世の学者荘子には一目置いて居た。彼女はおとなしく荘子の前に膝まずいた。 「よく....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
会とを腐敗させ、君寵を頼んで、政治外交にさえ口を入れ、ロマノフ皇朝を没落させた、
稀世の妖僧の死骸を呑んだ。 以上は前期欧洲大戦中での出来事で、ラスプーチンは、....
「芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
チェとの恋愛様式までも、回教文学上に先例があるというけれども、しかもダンテの詩が
稀世の傑作であったことに変わりはない。 今委細に詳論することはできないが、中世....
「三国志」より 著者:吉川英治
ほど前。 鉅鹿郡(河北省)の人で、張角という無名の士があった。 張角はしかし
稀世の秀才と、郷土でいわれていた。その張角が、あるとき、山中へ薬をとりに入って、....
「三国志」より 著者:吉川英治
、鳳凰が石に棲むのを見て、時の人が、石の心部を切って、楚国の文王に献じ、文王は、
稀世の璞玉なりと、宝としていましたが、後、秦の始皇の二十六年に、良工を選んでみが....
「三国志」より 著者:吉川英治
、徐晃という人間を殺すにしのびなくなったからだ。――われ今日、徐晃を見るに、真に
稀世の勇士だ、大方の大将としても立派なものだ。敵とはいえ、可惜、ああいう英材をこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、孫策の通りそうな藪かげにかくれ、一心天を念じていたのであった。 孫策の馬は、
稀世の名馬で「五|花馬」という名があった。多くの家臣をすてて、彼方此方、平地を飛....
「三国志」より 著者:吉川英治
馬はたちまち紅に染まり、雨よりしげき乱箭の下に、あわれむべし鳳雛先生――※統は、
稀世の雄才をむなしく抱いて、白馬とともに斃れ死んだ。時、年まだ三十六歳の若さだっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
もまた一種の怪物であり大物だけに、余人にはつかみようもないのである。――いや彼が
稀世の怪物なら、時雲のうごきも一寸さきが逆睹できない怪雲であるから、彼自身にさえ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ここにたれよりも百戦の功を燦と身にあつめていたものは新田義貞で、きのう今日の彼は
稀世の名将みたいにあつかわれていた。――ソノ日義貞|朝臣ニハ、天下ノ士卒ノ将トシ....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
る。 もっとも話はそんな題目ばかりとは限らなかった。時には実験の心得について、
稀世《きせい》の名教訓が出たり、現代の物理学の限界を論ぜられたりすることもあった....
「比較科学論」より 著者:中谷宇吉郎
しい物理学も考えられる。それが本当の比較科学論である。 しかしそれをなすには、
稀世《きせい》の天才を待つより仕方がない。しかし一歩下って、現在の科学だけに話を....