程経て[語句情報] » 程経て

「程経て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

程経ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
す品があるゆえ、早速|曳《ひ》いて参れ」 すぐに走り出していった様子でしたが、程経て下僕が、一匹の見るからに剽悍《ひょうかん》無比などら猫を曳いて帰ったので、....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
疑いは無いけれど、念の為に何か汝の言葉が証拠が有るかと問うた所、証拠は無いが五日程経て此の手紙が来た、と云って小僧の差し出すのを見ると、全く余が電信局で見た頼信....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
郷に飲ませた、と云われている。毒薬には劇毒で飲むと直《じき》に死ぬのも有ろうし、程経て利くのも有ろうが、かかる場合に飲んで直に血反吐《ちへど》を出すような毒を飼....
風流仏」より 著者:幸田露伴
やぐ佐渡には、色も定かならぬさき織を着て漁師共の眼にあらわれ玉いけるが業平侯爵も程経て踵小さき靴をはき、派手なリボンの飾りまばゆき服を召されたるに値偶せられける....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に於ける私と敦子さまとの関係は大体こんなところでお判りかと存じます。 それから程経て、敦子さまが死んだこと丈は何かの機会に私に判りました。が、その時はそう深く....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
なかったから、目ざめて見れば二たび僕らをばアルプス山上の気持に引戻すのであった。程経て僕らは起きた。それからなるべく寒くないように著込んで階段をのぼって行き、東....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
張って、南へ南へと下だり出した。麗かな日和がよく続いて、海上は何時も穏かである。程経て船は呂宋へ着いたが、呂宋には島井家の支店がある。そこで荷物を積み代えると船....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
がみ込み、やがて立ち上がって脱衣場を下りた。何んの変わったこともない。 しかし程経て潮湯治客達は、あっちでもこっちでも騒ぎ出した。 「おや財布を盗まれたぞ」 ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
分が物でも貸したように平然として云ったものである。 呆れた馬琴が何とも云わず、程経て辞して帰ったのは、笑止千萬のことであった。 一九の父は駿府の同心、一生不....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
立ったが、云うまでもなく十兵衛で、小田原提燈を手にさげて、品川の方へ歩いて行く。程経て同じ長庵邸から、一人の男が現われたが、黒い頭巾で顔を隠し、着流しの一本差、....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
いう菓子を食べて感動したごとく、世の中にこんな旨いものがあるだろうかと思ったが、程経て、てんぷら、おやこ、ごもく、おかめなどという種蕎麦のあることを知って、誠に....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
異常の速力で元来た方へ引き返した。こうして一隻の運送船は闇に姿を隠したのである。程経て水上を巡邏している水上警察署のモーターが何気なくその辺へ差しかかった時、主....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
法が形式倫理以上に出なかった。源氏物語を誨淫の書と考え、その作者紫式部の死後百年程経て、式部はああ言ういけないそらごとを書いた為に地獄へ堕ちて苦しんでいる、と言....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もその処分をせねばならんというのではないといってだんだん説諭したので、その後半日程経てとうとう帰るということになったけれども、彼らは途中で泥棒に遇って物が無くな....
港に着いた黒んぼ」より 著者:小川未明
輝いていました。大地は黒く湿って、草木は音なく眠っていました。 姉は、それから程経て、大尽の屋敷からもどってきました。思ったより、たいへんに時間がたったので、....