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程遠い
「程遠い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
程遠いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
掛は明かに時候外れである。その向う側で、電話にかかっているらしい話声が聞えるが、
程遠い上に、硝子窓に遮られているのでよく聞えない。 私は暫く門の処に石像のよう....
「オンチ」より 著者:夢野久作
二人とも何気なくバットの吸いさしを投棄てて、薄暗い汽鑵場へ引返した。ボイラーから
程遠い浴場の煉瓦壁に、三ツ並んで残っている古いパイプの穴から、肩をクッ付け合わせ....
「文学の流れ」より 著者:宮本百合子
を感じない筈もない。文学の成長のための新しい土としてルポルタージュが待たれたのは
程遠いことではなかった。だがルポルタージュは、文学に生新な局面を開花せしめること....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
と心細さで、何度すすっても鼻水がこぼれた。ここから、母親のそばまではもう帰れない
程遠いのではないかと思った。舗道の三和土《たたき》へ当る雨が、弾《は》ねあがって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しい男女のすすり泣きは、自分が経験した妄想だけではない、この尼さえも知っている。
程遠いところに住む人さえ知っているくらいだから、もはや、一般の常識化して、世間の....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
云うのう、常の気性にも似合わんようだが、して其の遠くと云うのは何処へ行くのか、余
程遠いかえ」 山「些と遠方へ参りますることで」 宮「はゝア先は何処だえ、上方かえ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たけれども、この降りではどうなるか知らんとも思いました。 笛吹川はこれよりやや
程遠いけれど、それへ落つる沢や小流れの水が、決して侮り難いものであることは、竜之....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 ははあ根岸の千隆寺。これが近ごろ評判のそれか。自分の侘住居《わびずまい》と
程遠いところではないはず。そこに近頃、安産のお守り、子無き婦人に子を授ける御祈祷....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り、こちら方面からいえば、江戸街道であるが――この物淋しい野中の街道の、人家には
程遠いところへ、何の縁故で、お松が与八にすすめてお地蔵様を立てさせたのか。 そ....
「土地に還る」より 著者:豊島与志雄
遡れば、ただの戯れに過ぎませんでした。正子との親しみも、愛情などというものからは
程遠い、ただの親しみに過ぎませんでした。それでは、今、彼女のことを想って心痛むの....
「ゴルフと「悪い仲間」」より 著者:坂口安吾
ないと穴ボコへはいらない有様である。だから人にハンディをあげられるような腕前には
程遠いのである。しかし三日前に近所のコースから許可がおりたところへ菅原君の話であ....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
二、三間も行くと道は右に折れている。 唸り声は正しくそこから洩れて来るので、余
程遠いと思ったのは、その声の余りに幽かに弱々しかったからで。 突き出た大きな岩....