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税吏
「税吏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
税吏の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
もとかの児と同夥《どうか》と見えると、またマクス・ミュラーの説にチャンズールの収
税吏が河辺で大きな牝狼が穴から出ると三疋の狼子と一人の小児が随いて行くを見て捕え....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
つでも私に深い感銘を与えるものは、基督の短い地上生活とその死である。無学な漁夫と
税吏と娼婦とに囲繞された、人眼に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
吸することも早かった。年若な訓導として東京の小学校に教えたこともあり、大蔵省の収
税吏として官員生活を送ったこともあり、政治に興味を持って改進党に加盟したこともあ....
「爛」より 著者:徳田秋声
小林はお増の顔を眺めて、 「かれこれ私くらいの年輩でしょう――四十七、八だね。収
税吏もあまりいいところじゃないらしいよ。一度御馳走でもして、金の顔を見せさえすれ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
。文章に就いて云っても、言葉のヴェイルがあり過ぎる。もっと裸の筆が欲しい。 収
税吏に新宅の税を督促さる。郵便局へ行き、「島の夜話」六部を受取る。挿絵を見て驚い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
金椎ノ談ニヨレバ、救世主ハ大工ノ子ニシテ――耶蘇ノ教フルトコロニヨレバ、娼婦、
税吏、異邦人、姦淫セル女等ガ却ツテ、驕慢ナル権者、偽者ナル智者、学者ヨリ光栄アル....
「それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
の中で、日本語が話せ、日本字のかける朝鮮人が、総督府の官吏になり、巡査になり、収
税吏になって、今日になってみれば、同胞の自由を抑え搾る仕事に協力していた。しかし....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
つもりでいる地方、脱走した連隊、焼かれた県庁、憲兵隊の先頭に立って馬に乗ってる収
税吏、自由思想家らが自由の名においてこわそうとしてる教会堂を保護せんため、釜《か....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
ているように見えるが、裏へまわれば、裏口営業もあるし、巡査はボスの手先をつとめ、
税吏は酒池肉林の楽しみをつくす。地頭や代官、岡ッ引と変らない。大名会議の席上、大....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
け、ムシュー・ガベル!」 ムシュー・ガベルはそこの宿駅長であって、他に何かの徴
税吏をも兼ねていた。彼は、さっきから、この訊問を輔佐するためにすこぶる追従するよ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
行き、喜捨されたものは何でも感謝して受け取り、あたかもキリストが無一物であって、
税吏の家にでも、パリサイ人の家にでも、招かれて行かれたように、与うることと、受く....
「三国志」より 著者:吉川英治
おまえ」と、母はいった。 「寝台も箪笥もありませんが……」 劉備が問うと、 「
税吏が来て、持って行ってしまった。黄匪を討伐するために、年々軍費がかさむというの....