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「税関〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

税関の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
ろ、価値の大小が、明白に数字で現れるのですからな。殊にゾイリア国民が、早速これを税関に据えつけたと云う事は、最も賢明な処置だと思いますよ。」 「それは、また何故....
或る女」より 著者:有島武郎
「One more over there,look!」 こういいながら、米国の税関吏らしい人に葉子を指さして見せた。官吏はうなずきながら手帳に何か書き入れた。....
或る女」より 著者:有島武郎
ながめられるのも開港場らしい風情《ふぜい》を添えていた。 遠く海のほうを見ると税関の桟橋に繋《もや》われた四|艘《そう》ほどの汽船の中に、葉子が乗って帰った絵....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ウロにいるならお移民さんだが、リオにおいでのようじゃ大使館だね。まったく、どこの税関でもお関いなしに通れる、結構なご身分というもんさ。こっちも、そういう御仁相手....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の越度で、人品骨柄を見たって知れる――その頃は台湾の属官だったが、今じゃ同一所の税関長、稲坂と云う法学士で、大鵬のような人物、ついて居た三人は下役だね。 後で....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ッピンの学生をつかまえて何やかやとひつっこく尋ねていた。 上海に着いた、そこの税関の出口にも、やはり私服らしいのが二人見はっていた。警視庁から四人とか五人とか....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ろいて博士の傍へ飛んでいった。 「そんなところから降りてはいけません。第一、まだ税関がやってこないのです。トランクの中を調べないと、上陸は不可能です」 「厄介な....
火薬船」より 著者:海野十三
マンの口に手をあてて、あたりへ気をくばった。 雑草園 サイゴンの港湾部や税関の方へは、うまくはなしをつけたものと見え、それから夜にかけて、平靖号の搭載貨....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
午前十時ごろ、彼は支配人のブラッドレーに呼ばれた。行ってみると、これから横浜の税関まで行ってくれということだった。 杜は一件書類を折り鞄のなかに入れて、省線....
軍用鼠」より 著者:海野十三
の腕木の下を潜って、相手国のうちに足を入れ、そしてそこに店を開いて待ちうけている税関の役人の前にいって国境通過を願いいで、そして持ち込むべき荷物を検査してもらう....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
その後、彼女はヴィールという男と結婚した。ヴィールの友達は彼を周旋してドーバーの税関に勤めるようにしたので、ヴィール夫人とバーグレーヴ夫人との交通は自然だんだん....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ている。それは七月のある暑い朝であった。検疫所から来る一艘の汽船を待っている間、税関吏たちはふらふらと波止場を歩いていたが、その姿は特に靄でぼんやりしていて、い....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
心に南方を眺め、岸に着いては労働者を見て、文明の劣れる国だと驚いた。 それから税関で驚いたりした。 パリではルーブルを見て、その寳物をされた。寺院に行っては....
西航日録」より 著者:井上円了
の船舶迎送頻繁なり。 二十四日、午後一時、テムズ河口に入る。三時ドックに着し、税関の検閲あり。ただちに汽車に転乗し、夜に入りてロンドン市に着す。寓所を公使館の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
りおりる。喜望峰を辞してより二十三日目にして、はじめて陸地を踏むを得たり。ここに税関の調査を受け、臨時汽車にてロンドンに向かう。水谷猶象氏ドックに来たりしも、相....