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「稗史〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

稗史の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命」より 著者:幸田露伴
烏有の談を為る。或は微しく本づくところあり、或は全く拠るところ無し。小説といい、稗史といい、戯曲といい、寓言というもの即ち是なり。作者の心おもえらく、奇を極め妙....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
か、言わずとも白氏文集。さもありなん、これぞ淑女のたしなむ処よ。」 「違う違う、稗史だそうだ。」 「まさか、金瓶梅……」 「紅楼夢かも知れないよ。」 「何だ、紅....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れはまた稀代な読物だ、こんな面白い本を今まで読んだことがない。面白いものを小説の稗史《はいし》のと人が言うけれど、あれは本来こしらえもの、大人君子の興味に値する....
黒百合」より 著者:泉鏡花
飾である。 十 土地の口碑、伝うる処に因れば、総曲輪のかの榎は、稗史が語る、佐々成政がその愛妾、早百合を枝に懸けて惨殺した、三百年の老樹の由。 ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ないので、ぶっ付けにこう書いてあった。 ◎鯛を料理 鯉を割きて宝物や書翰を得るは稗史野乗の核子なれど茲に築地の土佐堀は小鯔の多く捕れる処ゆゑ一昨夜も雨上りに北鞘....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
置き度い事は、私の物語に現れて来る、快男子赤格子九郎右衛門なる者は、従来の芝居や稗史小説で、嘘八百を語り伝えられて来たその人物とはあらゆる点に於て、大いに相違が....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
多助が一代記を。拙作ながら枝炭の。枝葉を添て脱稿しも、原来落語なるを以て。小説|稗史に比較なば。所謂雪と炭俵。弁舌は飾れど実の薄かるも。御馴染甲斐に打寄る冠詞の....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
ないので、ぶっ付けにこう書いてあった。 ◎鯛を料理 鯉を割きて宝物や書翰を得るは稗史野乗の核子なれど茲に築地の土佐堀は小鯔の多く捕れる処ゆゑ一昨夜も雨上りに北鞘....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
やった事がある。『牡丹燈籠』は『書生気質』の終結した時より較やおくれて南伝馬町の稗史出版社(今の吉川弘文館の横町)から若林※蔵氏の速記したのを出版したので、講談....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
のように喰入って巻を釈く事が出来ず、とうとう徹宵して竟に読終ってしまった。和漢の稗史野乗を何万巻となく読破した翁ではあるが、これほど我を忘れて夢中になった例は余....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ご》文化の初め数年に渉《わた》りては専《もっぱら》馬琴《ばきん》その他の著作家の稗史《はいし》小説類の挿絵を描き、これによつて錦絵摺物等の板下絵《はんしたえ》に....
十六、七のころ」より 著者:永井荷風
、今度は三月の末まで起きられなかった。博文館が帝国文庫という総称の下に江戸時代の稗史《はいし》小説の復刻をなし始めたのはその頃からであろう。わたくしは病床で『真....
夕立」より 著者:永井荷風
》ぐものは国芳《くによし》が御厩川岸《おんまやがし》雨中の景なるべし。 狂言|稗史《はいし》の作者しばしば男女奇縁を結ぶの仲立に夕立を降らしむ。清元浄瑠璃《き....
怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
尚よく斯の如く一吐一言文をなして彼の爲永の翁を走らせ彼の式亭の叟をあざむく此の好稗史をものすることいと訝しきに似たりと雖もまた退いて考うれば単に叟の述る所の深く....
怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
に試み頗る好評を得たり。依て益々此の法を拡張して世を益せんことを謀るに方り、甞て稗史小説の予約出版を業とする東京稗史出版社の社員来って曰く、有名なる落語家三遊亭....