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稚ない
「稚ない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稚ないの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
いう極楽の意味とも、また違っていた。かの女は、働くことに無力な一人の病身で内気な
稚ない母と、そのみどり子の餓えるのを、誰もかまって呉れない世の中のあまりのひどさ....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
な吹雪の夜でしたっけね。私は子供心にもはっきりと覚えています。 親鸞 お前はまだ
稚ない童子だったがな。あのころから少しからだが弱いと言っておかあさんは案じていら....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
れて血色を寄せている。その柔かい筋肉とは無関係に、角化質の堅い爪が短かく尖の丸い
稚ない指を屈伏させるように確乎と並んでいる。此奴の強情!と、逸作はその爪を眼で圧....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
られないまま、多元的にいわれたりして。前の女の場合を仮りに云えば、その女のひとの
稚ない善意にたかったバチルスこそ、見のがされないものなのだから。
考えること、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
上げていたのは、所謂なきではない。――彼が後宇多院に仕えていたころは、宮もまだお
稚ない皇子だったが、やがて妙法院へ入られ、叡山の座主につかれた後も、歌の会などで....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
を。紙に取って楽しむ遊びがある。すなわちつき草は特に附きやすい花だったのである。
稚ない人たちの新しい名を好む癖は、この方面にも明かに現われている。例えば秋田市の....
「童子」より 著者:室生犀星
とが、人並みにあんなに言うんじゃなかったともツイ思い出された。誰でもみんなが持つ
稚ない感情がどやどやと足音をさせ、しばらく私をとりかこんでくるのが、何より嬉しか....