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稚児髷
「稚児髷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稚児髷の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
渡された洋行心得書を懐中にし、成業帰朝の上は婦女の模範ともなれとの声に励まされ、
稚児髷に紋付|振袖の風俗で踏み出したとのことであるが、横浜港の方にある第一の美麗....
「牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
ていた。軽い韈の音が耳についた。彼は見るともなしに東の方へ眼をやった。婢であろう
稚児髷のような髪をした少女に燈籠を持たせて、その後から若い女が歩いてきたが、少女....
「荷花公主」より 著者:田中貢太郎
そのままじっとしていた。 「公主からお迎えにあがりました」 眼を開けて見ると、
稚児髷に結うた女の子が燈籠を持って枕頭に立っていた。しかし、彭は相手になるのが面....
「寛永相合傘」より 著者:林不忘
そうじゃ。」 「え! もうそんな年齢《とし》か。」 「そりゃそうだろう、あのころ
稚児髷だったからなあ――はっはっは。」 「何じゃ、不意に笑い出して。」 「はっは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
載せようとしている瞬間と見ていると、自然その左手に気高くほおづえついて眠っている
稚児髷《ちごわ》の美少年が、よけいな物になって、説明に行詰まってしまいます。それ....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
」と云って入って来た者があった。それは二十歳には未だ足りない美しい女と、十四五の
稚児髷に結うた伴の少女とであった。女は那智へ往っての帰りだと云った。豊雄は女の美....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
舞わせもし、またすっきりと水ぎわの立った粋《いき》な酌人も交ぜた。おさないものは
稚児髷《ちごまげ》の小性《こしょう》ぶりにしてしたてた。 家禄を返還した士族―....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
まだ、その、一本、二本、三本を算えない時であった。 丘の周囲を、振袖の一行――
稚児髷に、友染の袖、緋の襷して、鉄扇|擬の塗骨の扇子を提げて義経袴を穿いた十四五....
「澪標」より 著者:外村繁
ぼんか」 しかし女は私を見ながら、平気で言う。よく見ると、女というより少女で、
稚児髷に結ってい、小学校を卒えたばかりの年頃である。私は少し侮辱されたように思っ....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
いたものと見える。そして三|更がすぎて観燈の人も稀にしか通らないようになった時、
稚児髷のような髪にした女の児に、頭に二つの牡丹の花の飾をした燈籠を持たして怪しい....