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稜角
「稜角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稜角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ね。あれは、東南からのぞめば角笛形をしているが、ちょっと、西へまわると隠れていた
稜角《りょうかく》がでて、その形が円錐になりますね」
これには、さすがのダネッ....
「白菊」より 著者:夢野久作
がら……。 彼は今一度ブルブルと身震いをした。鮮やかな空色と、血紅色と、黒色の
稜角を、花型に織り出した露西亜絨氈の一角に、泥足のままスックリと立ち上った。右手....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
が、わたしにとって詩は、(詩は情緒のなかへ崩れ墜《お》ちることではない、きびしい
稜角《りょうかく》をよじのぼろうとする意志だ)わたしは人波のなかをはてしなくはて....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
ることは、彼の芸術を理解するほとんどすべてのものが最近になって直感していた。鋭い
稜角を常に示しつづける彼の知性の頂点と人間的な危期とは、最近この作家の作品とその....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
られたる、木の骨――というより外に、与える名がない――と、砂に埋まれた楕円石や、
稜角の鋭いヒイラギ石やは、丁度、人間の屍骸が、木乃伊となって、木偶か陶製の人物か....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
である。 それからまた、ちょっと見ると火打ち石のように見える堅緻で灰白色で鋭い
稜角を示したのもあるが、この種のものであまり大きい破片は少なくもこのへんでは見当....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
精力的につよめられ、豊富にされ、のびやかにされてゆく条件も見出せよう。遠い雪山の
稜角が日光に閃くような趣の北畠八穂の文学は、素木しづ子の短篇が近代化された姿で思....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
よりはもっとりっぱにできていた。その後にこわされた様々な構造は、突角|堡《ほ》や
稜角《りょうかく》や凸《とつ》出角などをなしていたものである。
イギリス軍はそ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
古ゼルマン族の特長となり獅子族《ししぞく》と鷲族《わしぞく》とを区別せしむるあの
稜角《りょうかく》の皆無さをそなえていた。頭を使う人の精神がほとんど等分に深さと....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とつ》し、錯雑し、鋸《のこぎり》形をし、入り組み、広い裂け目を銃眼とし、それぞれ
稜角堡《りょうかくほう》をなす多くの築堤でささえられ、そこここに突起を出し、背後....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ちにあらんかぎりの威嚇を浴せた。荒けあとの高い蜒りが、岬の鼻に打衝かると、そこの
稜角で真っ二つに截ち切られ、ヒュッと喚声をあげる。そして、高い潮煙が障壁から躍り....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
た、白沢は水量がすこぶる多くて、また山側の崩壊が稀で洪水も少ないと見えて、岩石に
稜角がなくて水苔が生じていて、粗面質の岩石でも往々に足を辷らして、危険千万である....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
は実に恐れ入りまする、と如才なく口はきけど言葉遣いのあらたまりて、自然とどこかに
稜角あるは問わずと知れし胸の中、もしや源太が清吉に内々含めてさせしかと疑い居るに....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
べ、この脚本に解釈を加ふることあるべし。
第四幕
高山。屹立せる、
稜角ある岩の頂。一団の雲たなびき来
て、岩に倚りて止まり、突出せる段の上に降る。....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に通ったりして、草も碌々生えていない山腹を踰えると、赭茶化た破片岩の石滝が個々の
稜角を尖らして、互に噛み合いながら底なしの池ノ谷を目懸けて頽れ落ちている。其上の....