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稟性
「稟性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稟性の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
でそれをそのままに残しておいた。それらの衒気と感傷とはそれが真摯にして本質的なる
稟性に裏付けられているときには青春の一つの愛すべき特色をつくるものである。実際自....
「バルザックについてのノート」より 著者:宮本百合子
散文家として比較すれば、鴎外の方が漱石より雄勁である。漱石のよわさは、しかし彼の
稟性の低さに由来するものではない。既に自然主義にはおさまれず、さりとて自身の伝統....
「わからないこと」より 著者:宮本百合子
男神、アポロー、パンまたは、キリスト教の聖徒などを描いた他、或る女流画家の特殊な
稟性によって、ユニクな属性を賦与された男子の肖像が在るだろうか。私は自分の狭い知....
「新感覚論」より 著者:横光利一
縛の綱となった。それが彼の残した大いなる苦悶であった。此の潜める生来の彼の高貴な
稟性は、終に彼の文学から我が文学史上に於て曾て何者も現し得なかった智的感覚を初め....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
。 人間は、自分の力の限りというものを知っている。 けれども、稀に出る、高い
稟性を持つ人物というものは、よく自分を、人間以上のとんでもない位置に置きたがるも....
「日記」より 著者:宮本百合子
事件なりを見られるのかと思うと自分は寒いような心持がする。 ちっとも光りのない
稟性《ひんせい》。 芸術が、若し字をスラスラと並べ、事を写す丈なら、写真以下の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
が灼熱的であろうか、と期待しましたのに、……どうも冷たい。いかにも冷やかですが、
稟性のしからしむる処ですかな。あるいは、あなた方、先生の教えは、芸に熱して、男女....