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種属
「種属〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種属の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
ちに狼を銃殺した。この狼はルプス・ジガンティクスと称し、最も兇猛《きょうもう》な
種属であると云う。なお宮城動物園主は狼の銃殺を不当とし、小田原署長を相手どった告....
「父」より 著者:太宰治
間《みけん》には深い縦皺《たてじわ》がきざまれていた。要するに、私の最も好かない
種属の容色であった。先夜の酔眼には、も少しましなひとに見えたのだが、いま、しらふ....
「春の盗賊」より 著者:太宰治
であろう。あまりに数多い、あれもこれもの猟犬を、それは正に世界中のありとあらゆる
種属の猟犬だったのかも知れない、その猟犬を引き連れて、意気揚々と狩猟に出たはよい....
「女類」より 著者:太宰治
、あれは間違いだと思っている。男類、女類、猿類、とこう来なくちゃいけない。全然、
種属がちがうのだ。からだがちがっているのと同様に、その思考の方法も、会話の意味も....
「花燭」より 著者:太宰治
多いのである。実に多い。男爵と同じように、何もしないで、もっぱら考えてばかりいる
種属の人たちである。例外なく貧しかった。なんらかの意味で、いずれも、世の中から背....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
同様に、いかにも間が抜けて陳腐で、馬鹿らしくさえ感ぜられて、私には「官僚」という
種属の正体はどんなものなのか、また、それが、どんな具合いに悪いのか、どうも、色あ....
「人間失格」より 著者:太宰治
られない屈辱でした。所詮《しょせん》その頃の自分は、まだお金持ちの坊ちゃんという
種属から脱し切っていなかったのでしょう。その時、自分は、みずからすすんでも死のう....
「地球盗難」より 著者:海野十三
が、それを覚えようとしなかった馬どもは皆強い動物に喰われてしまって、五本指の馬の
種属は絶え果てた。しかしどうかすると、太古のような五本指を持った馬が、ヒョックリ....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
うですから。」いやな言いかたを、しやがる! 卑劣だ! 世の中で、一ばん救われ難い
種属の男だ。これが、あの、「伯父ワーニャ」を演じて日本一と称讃せられた上杉新介氏....
「愛と美について」より 著者:太宰治
たいま、ふと思いついただけのことなのである。「人間のうちで、一ばんロマンチックな
種属は老人である、ということがわかったの。老婆は、だめ。おじいさんで無くちゃ、だ....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
くものの世界が産まれる。去年の夏の終わりから秋へかけて、小さなあわれな母親たちが
種属保存の本能の命ずるがままに、そこらに産みつけてあった微細な卵の内部では、われ....
「天馬」より 著者:金史良
ものは悉《ことごと》く臆病でひがみ根性があり、おまけに図々しくしかも党派心の強い
種属ということである。丁度そのいい標本が田中も東京から知っている玄竜だと述べてい....
「豊島与志雄著『高尾ざんげ』解説」より 著者:太宰治
てだらしがない、と言われている。ひとから招待されても、それを断ることが、できない
種属のように思われている。教養人は、スプーンで、林檎を割る。それにはなにも意味が....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
説明の仕方である。即ち空間の発生の問題がそれである。発生という時人々は往々直ちに
種属発生的な又は個体発生的な発生に思い至るかのようであるが、併し少くとも空間表象....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
かも知れん。」とまた一人がいった。 「だが、出雲系と天孫民族とはどうしても僕も同
種属ではないと思う。素盞男命からして併合政策として、日本神話の大立物に祭り上げて....