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種本
「種本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「読書法」より 著者:戸坂潤
と読んで見るなどは、中々痛快なものである。之は他人の知らない本をコッソリ読んで、
種本にしたりするよりも、公明な心境だろう。読むのは凡てを読め、読む順序は独断的で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、お描きになったものがたくさんある、他人には分らないが、御当人にはずいぶん丹念な
種本かも知れない、これを暴民共に滅茶滅茶にさせてはお気の毒だ、ひとつ掻《か》き集....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
望みならば、わたしの前身……鬼でも蛇でもございませんが、お話し申し上げれば西鶴の
種本になるかも知れません」 「しからば――」 侵入者は、ついに客人としてもて扱....
「蘇生」より 著者:豊島与志雄
とその姿を見つめた。と俄にはっとして両肩を聳かした。首根ががくりとした。それは一
種本能的な直覚だった。顧みると、机の上に小さな紫の壜がのっていた。彼はそれを手に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たいしては、慈恵団の尼さんみたいな魂をもって生まれたのではない人々が皆いだく、一
種本能的な残忍な嫌悪《けんお》の情を覚えはしたが、それを少しも外に現わしはしなか....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
底までわかる。悪戯者《いたずらもの》の放蕩《ほうとう》に手をつけることができる。
種本を手に入れたようなものだ。写真もある。」
実際、メダルに似寄った黒い粒革《....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
忙しい人生の合ひま/\にゲーテだのシラーだの時にはゴッホの絵本などゝいふどこから
種本を見つけてくるのやら飜訳といふ仕事をやり、私が小説の本をだしたよりもたくさん....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
』。次は『算術遊び』。この本は非常に有名で、日本の雑誌などに使われた数学パズルの
種本であります。原名は Amusements in Mathematics です....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
しますことで」 「ははアなるほど」 「山岸主税申しますには、おおよそ簡単の隠語の
種本は、いろは四十八文字にござりますそうで、それを上より数えたり、又、下より数え....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
味であるが、この名称は、すこしおかしい。過渡的な名称であろう。 翻案劇 外国劇を
種本として、「日本もの」に書き直した台本。人名、地名等を変えるだけで比較的原作の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
せ、まず邪魔な惣領のお梅を砒霜《ひそう》の毒で気長に盛り殺し、怪談の『金鳳釵』を
種本にこまごまと書きおろしたこのひと幕。木場の堀にゃア材木が浮いてるから、よもや....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
、 「あんな手紙、だれが本気で書くもんですか。小説の焼き直しよ。……ほら、これが
種本《たねほん》さ」 といいながら、枕元から薄っぺらな仏蘭西《フランス》語の本....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
ののほか、儒仏、老山荘百家に亙っていた。見聞の狭い慧鶴青年にはまるで世界の知識の
種本が蒐められているように思えた。咄嗟に謙虚な気持が湧いて来て、彼は膝に両肘を突....
「一人舞台」より 著者:ストリンドベリアウグスト
読んではなんにもならないのだが、わたしが読めばあの人に可哀がって貰う種を目付ける
種本になるのだわ。幾らお前さんのお父っさんがエスキルといったって、エスキルという....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
《きょくていばきん》の小説『夢想兵衛胡蝶物語《むそうべえこちょうものがたり》』を
種本《たねほん》にして、原作の紙鳶《たこ》を飛行機に改め、「彼はどこへでも飛んで....