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「稲刈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

稲刈の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
りから善く外へ出て田畑の土を弄《いじ》ったり、若い男たちと一緒に、田植に出たり、稲刈に働いたりした。そうしてそんな荒仕事がどうかすると寧《むし》ろ彼女に適してい....
二銭銅貨」より 著者:黒島伝治
角力が来た。子供達は皆んな連れだって見に行った。藤二も行きたがった。しかし、丁度稲刈りの最中だった。のみならず、牛部屋では、鞍をかけられた牛が、粉ひき臼をまわし....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
うど木の子が歩くようで見っともない。編笠がよかろう。新らしいのが一つあった筈だ」稲刈連は出てしまって別に笑うものもなかったけれど、民子はあわてて菅笠を脱いで、顔....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
坊たん、どこ行くのって」 「面白いのね。それから?」 「わたちは田圃《たんぼ》へ稲刈いに」 「そう、よく知ってる事」 「御前がくうと邪魔《だま》になる」 「あら....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
まま打つ伏せになってもがいている。 全く省作は非常にくたぶれているのだ。昨日の稲刈りでは、女たちにまでいじめられて、さんざん苦しんだためからだのきかなくなるほ....
旅愁」より 著者:横光利一
、もう永く遊んだ退屈さに耐えられなくなった二人だからだと思った。 「まるでこれや稲刈りだな。」 と矢代は云って笑った。千鶴子も笑いながら並んで同じ動作を繰り返....
夜の靴」より 著者:横光利一
が今朝早くから家を出たまま、一度も姿を見せぬのは、隣村の早米の田を持つある家へ、稲刈に行っているからだと、妻は云った。 「もう稲刈か。」と私はおどろいて訊ねた。....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
なくては親しめぬ材料の簪櫛指輪などの句。 ざら/\と櫛にありけり花埃 みどり稲刈るや刈株にうく花簪 菊女 春泥に光り沈みし簪かな かな女 簪のみさし....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
十月半ばには、毎年頭に白い雪を冠る。里の人々は『越後山に雪が降ったから、そろそろ稲刈りがはじまるだんべ』というのだ。もうその頃には、ときどき寒い秋の風が吹く。 ....
」より 著者:犬田卯
身がるに小さい方の鋤簾をかついで、口笛を吹き吹きつづいた。由次は十六だが、昨年の稲刈り時分から眼に見えて背丈が伸び、いまでは親父の肩の辺まで届きそうになっていた....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
、初世はやがて佐太郎の念頭からきれいに消え去りかけていた。 ところが、その秋の稲刈前の村の神明社の祭に、佐太郎は久しぶりにヒヨツコリ初世の姿を見かけた。初世は....
こども風土記」より 著者:柳田国男
が子どものただの遊びとなっている。たとえば鳥取市の附近の村でもネンガラ、ここでも稲刈後の田へ出て遊ぶ。次には山口県の豊浦郡でもネンガラ、海を渡って筑前の大島でネ....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
、まだその返事は来ない。その内容は、白鳥からの帰り途、三本松の駅の近くの田圃に、稲刈りの跡の土を少し盛り上げて、そこに一株の稲を刈り残し、その前に青竹を立てて花....