稼ぎ[語句情報] »
稼ぎ
「稼ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稼ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
たる紙幣を軽《かろ》く戴《いただ》きて懐《ふところ》にせり。時に通り懸かりたる夜
稼ぎの車夫は、怪しむべき月下の密会を一瞥《いちべつ》して、 「お合い乗り、都合で....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
静岡は御住居でございますか、それともちょっと御旅行でございますか。」 「東京から
稼ぎに出ますんですと、まだ取柄はございますが、まるで田舎|俳優ですからお恥しゅう....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ものもない茶店の世帯を、きょろきょろと※していたのがあって――お百姓に、船頭殿は
稼ぎ時、土方人足も働き盛り、日脚の八ツさがりをその体は、いずれ界隈の怠惰ものと見....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
いけれど、ここは新地なり、旅籠屋のある町やに因って、つい、あの衆が、あちこちから
稼ぎに来るわな。」 「そうだ、成程|新地だった。」となぜか一人で納得して、気の抜....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
覧の通、不躾ながら罷出ました。実はね、媽々衆、ああ見えて、浮気もんでね、亭主は旅
稼ぎで留守なり、こちらのお若い方のような、おッこちが欲しさに、酒どころか、杯を禁....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
涼んだ乱塔場で偶然|知己になったので。それから――無住ではない、住職の和尚は、斎
稼ぎに出て留守だった――その寺へ伴われ、庫裡から、ここに准胝観世音の御堂に詣でた....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
きをちょっと訛ったので。――勿論亭主の好みである。 つい近頃、北陸の城下町から
稼ぎに出て来た。商売往来の中でも、横町へそれた貸本屋だが、亭主が、いや、役人上り....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
処を御覧じゃりましたという、吉さんという植木屋の女房でございます。小体な暮しで共
稼ぎ、使歩行やら草取やらに雇われて参るのが、稼の帰と見えまして、手甲脚絆で、貴方....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、戸外から一目に見透かされる。花売の娘も同じこと、いずれも夜が明けると富山の町へ
稼ぎに出る、下駄の歯入、氷売、団扇売、土方、日傭取などが、一廓を作した貧乏町。思....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ましたもので。――心掛の可い、勉強家で、まあ、この湯治場は、お庇様とお出入さきで
稼ぎがつきます。流さずともでござりますが、何も修業と申して、朝も早くから、その、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
父より添書ありしは、浅草三間町の深沢某なり。この人元よりの東京人にてある年越後へ
稼ぎに来りしが病に罹りて九死一生となり、路用も遣い果して難渋窮まりしを伯父が救い....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
妻に迎えると、この男は車大工を稼業にして暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの
稼ぎ屋だったので、世帯をもってしばらくたった頃には、どうやら小金もできた。ただ、....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
。――すぐにもお礼かたがたお訪ね申さなければならなかったのですが、ご存じの、貧乏
稼ぎにかまけましてね。」 「なぞとおっしゃる。……は、は、は。」 と笑いを手で....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
……その頃には、七尾から山|越で。輪島からは海の上を、追立てられ、漕流されて、出
稼ぎの売色に出る事。中にも船で漂うのは、あわれに悲く、浅ましい……身の丈夫で売盛....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
州国不安の一大原因となっているのは深く反省せねばならぬ。他民族の心理は内地から出
稼ぎに来た人々に簡単に理解せられない。警官には他民族の観察はほとんど不可能であり....