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「穀粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

穀粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
それを念入れて数える間に、邪視力を失うので、イタリア人が、無数の星点ある石や沙や穀粒を、袋に盛って邪視する者に示し、彼これを算《かぞ》え尽くすの後にあらざれば、....
」より 著者:宮本百合子
て居るのに心付いた。籠の中に散って居るばかりか、一尺も間のある床の間まで、黄色い穀粒は飛んで居る。其にも無頓着で、彼等は、清らかな朝日を浴びて、枝から枝へと遊ん....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
不幸は往々にして愛し合ってる心をもたがいに離れさせるものである。唐箕《とうみ》が穀粒を選《え》り分くるように、不幸は生きんと欲する者を一方に置き、死せんと欲する....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
だけになってしまっている。穀物を一粒も失うまいとして、彼らはあらゆる種類の野生の穀粒を穀物の中に入れたままにしておくので、これはしばしば悪い結果を生ずる。凶作の....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
み重ねた石ころの上に置いて、仕事にかかっていたのに。空飛ぶ鳥が、そのあわて急ぎの穀粒を遠方へ運んでゆくうちに、鳥が偶然に種子を蒔くことがあるように彼の上に一粒を....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
真赤な天鵞絨のような舌をペロリと出した。 「サア見て頂戴。キプルスでは口に入れた穀粒に、唾のついていない時には、その人間が犯人なんですってね。たとえ、あの時、雪....
藤九郎の島」より 著者:久生十蘭
おど》りして喜び、とりあえず浜へ積みおろし、そこから岩穴の口に運んだ。この三年、穀粒と名のつくものはただの一口も咽喉管《のどくだ》を越させていないので、身体にた....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
えないのである。自然的肉体から霊魂の姿に復活するということは、それ自身としては、穀粒から小麦の葉が生じたりどん栗から樫の木が生ずること以上に不思議なこととは、思....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
生をなし、五ないし十一花よりなっている。苞状をなした一空頴は小穂より少しく長く、穀粒は小形で長楕円形を呈し白褐色である。 この毒麦がよく小麦畑に生えるので、そ....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
どうにか時間つぶしをしていましたけれど、そこにはもう鶏たちも先刻ご承知のとおり、穀粒ひとつだって残ってはいないのです。とは知りながらも、雄鶏はときどき何か癪にさ....
」より 著者:カフカフランツ
すり抜けるためには、陳情人はどんなに特別な、まったく特定の形をした、小さい巧みな穀粒でなければならないでしょうか? あなたは、そんなことは起こるはずがない、とお....
耕耘部の時計」より 著者:宮沢賢治
もろこし》をほうり込《こ》みました。 それはたちまち器械の中で、きれいな黄色の穀粒《こくりゅう》と白い細長《ほそなが》い芯《しん》とにわかれて、器械の両側《り....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ものが少なくなって、殊に繁殖の栄養のために、動物質の食餌をここで探すので、僅かな穀粒などは当てにしてはいないのだ。これが飼鳥と自由な鳥との、最もはっきりした生活....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
も、すべて水で練った生の穀粉の彫塑であったからできたのである。是がもし蒸した粉や穀粒であったら、つくね上げることは相応に困難であったろう。私たちが少年の頃には、....