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穂綿
「穂綿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穂綿の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、父の行綱は皺だらけになった紙衾《かみぶすま》を少し掻いやりながら、蘆《あし》の
穂綿のうすい蒲団の上に起き直った。 「千枝まが見えたら鳥おどしなと作って貰いまし....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
て、畦に突き当たって渦を巻くと、其処の蘆は、裏を乱して、ぐるぐると舞うに連れて、
穂綿が、はらはらと薄暮あいを蒼く飛んだ。 (さっ、さっ、さっ、 しゅっ、しゅっ....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
一年の秋ももう暮れかかる九月二十一日朝の四つ半頃(午前十一時)で、大師河原の芦の
穂綿は青々と晴れた空の下に白く乱れてなびいていた。 この主従は七つ(午前四時)....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
振る様子は、招くと言おうよりもむしろデモンストレエションに近く、風が吹けば盛んに
穂綿を流して来るのだが、私の庭へは僅かな片陰以外、めったに下りて土着しようとはし....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
たものがあった。或いは支那で閔子騫が、継母に憎まれて着せられたというような、葦の
穂綿なども使われていたろうかと思うが、少なくとも木綿の綿はまるで無く、筑紫綿とも....