積り[語句情報] »
積り
「積り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
積りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ね》を買い調えた。彼れは毎日毎日小屋の前に仁王立《におうだち》になって、五カ月間
積り重なった雪の解けたために膿《う》み放題に膿んだ畑から、恵深い日の光に照らされ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
行って日向《ひなた》ぼっこをして楽しく二三時間を過ごすまでになった。
どういう
積りで運命がそんな小康を私たちに与えたのかそれは分らない。然し彼はどんな事があっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
来やしないんでしょう。」 「そりゃ、家を畳んで参るんですもの。二三年は引込みます
積りです。」 「厭ねえ、二三年。……月に一度ぐらいは遊びに行った日曜さえ、私、待....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
物の中にも相互扶助の現象は見られるではないか。お前の愛己主義はそれをどう解釈する
積りなのか。その場合にもお前は絶対愛他の現象のあることを否定しようとするのか。自....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
きる人があったとしたら、一年で地球を一回りすることができるというのである。この見
積りに従えば、地球の大円周の長さは四三八〇〇キロメートルになるが、これは実にほと....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
――かなしいなあ――) めそめそ泣くような質ではないので、石も、日も、少しずつ
積りました。 ――さあ、その残暑の、朝から、旱りつけます中へ、端書が来ましてね....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
い物を餌にする。鯨を見ろ、しこ鰯だ、なぞと大口を利いて元気でしたが、やがて酒はお
積りになる、夜が更けたんです。 ここでお茶と云う処だけれど、茶じゃ理に落ちて魔....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
が家の門附を聞徳に、いざ、その段になった処で、件の(出ないぜ。)を極めてこまそ心
積りを、唐突に頬被を突込まれて、大分|狼狽えたものらしい。もっとも居合わした客は....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
吹きなぐると、紋の名入の緋葉がちらちらと空に舞った。お京の姿は、傘もたわわに降り
積り、浅黄で描いた手弱女の朧夜深き風情である。 「あら、月村さん。」 紅入ゆう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たッた一と言ではございますが、私はそれをきいて心から難有いと思いました。私の胸に
積り積れる多年の鬱憤もドウやらその御一言できれいに洗い去られたように思いました。....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
は他国の軍艦が行かんとするゆえ強いて同行したるまでにて、恰も銃猟にても誘われたる
積りなりしと語りたることあり。以てその事情を知るべし。 右のごとき始末にして、....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
がこの聖水かけの老人の心をくるしめだしたので、彼は自分の衰えた記憶を助けてもらう
積りで、女房も自分と一しょに教会へ来させた。 ある日の夕がたのことである。もう....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
んが居ますから、) 成程おばさんが居ますからな筈でがした。……自分は居なくなる
積りだから。 (それでは、) (さようなら、) と挨拶をして、もう一度梢を視め....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
したよ。旦那が、後で、「お前が腹這いになった時の様子っては無かった。鱸と心中する
積りだったのだろう」って、お笑いでしたが、あれらは、能くよく運の尽きた鱸でしたろ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
終るまで待っており、私の国防上の見地を軍機上許す限り私としては赤誠を以て説明した
積りである。終ると先方から、「現在の日本の財政では無理である」「無い袖は振られな....