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積立金
「積立金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
積立金の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
原稿を月々|貯《た》めてゆくことに相談が定ったのです。私がAの家へ行ったのはその
積立金を持ってゆくためでした。 最近Aは家との間に或る悶着《もんちゃく》を起し....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
勢された、馬のようになり切った兄弟は、二、三日の後会社へ行ったんだ。 『積善会の
積立金をいただきとうございますが、こうこういうわけで』と事実のありのままを純客観....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
などを望むものか。 君、僕の家じゃ、何だ、女の児が一人生れると、七夜から直ぐに
積立金をするよ。それ立派に支度が出来るだろう。結婚してからは、その利息が化粧料、....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
んじゃないか。沢山お金とったって、とっただけの割で組合へとられてさ、おまけに失業
積立金まで出して、ひとを食べさせてやるなんて」 ナースチャの頭が、ゆっくり、農....
「道標」より 著者:宮本百合子
労働組合が建てたものだった。人々は、何年かにわたって、これらの建物のために一定の
積立金をし、完成の日を期待し、やがて凱歌とともにこの新開町へ引越して来たところだ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
致します。一、銅像一千一百円、玉垣外庭石代九十二円、庭造り四十八円九十銭、維持費
積立金一百円、除幕式費用約百五十円、外に印刷費、通信費、及諸雑費でありますが、こ....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、阪神という阪急と共に梅田の東西に蟠居《ばんきょ》している大資本家である。巨額の
積立金を持っていながら、電車は、プラットホームさえ有ればいい、というような態度で....
「罠を跳び越える女」より 著者:矢田津世子
らその節また……。私は、これから庶務で今自分の給料を頂かねばなりませんし、それに
積立金もカードで計算しなければなりませんから、これで失礼します。」 槇子は軽く....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
にして欲しいので、退職手当は減給などとは無関係に傭員規定で決っている従業員自身の
積立金で、自分の積立てたものを自分が受け取るのは別に変ったことではないのである。....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の反感を買ったものは、不穏文書等取締法案だろう。或る意味でと云うのは、例えば退職
積立金法案なども決して評判のよくないものだったが、併しこの法案に対する反対の裏に....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
るような才人だったという――これは後に大人が言ってるのを聞いていたのだが、吉原の
積立金(税金だともきいた)使い込み事件で体があぶない時、父にかくまわれていた。 ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はいったい何という所ですか。あなたは宿屋さんですか。私は金は持っています。自分の
積立金です。徒刑場で十九年間働いて得た百九フラン十五スーです。金はきっと払います....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
金は収入によって考えて、さらに国民年金の運営については、その費用は国家が負担し、
積立金も勤労国民大衆のために使う、この福祉に使うということを主張しておるのであり....
「かもめ」より 著者:神西清
ずっと生活は辛いですよ。月に二十三ルーブリしか貰ってないのに、そのなかから、退職
積立金を天引きされるんですからね。それだって僕は、喪服なんか着ませんぜ。(ふたり....