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「穢土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

穢土の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
うである。しかしそう云う微妙音《びみょうおん》はアメリカ文明の渡来と共に、永久に穢土《えど》をあとにしてしまった。今も四人の所化《しょけ》は勿論、近眼鏡《きんが....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ぼざんまい》に日を送った業平《なりひら》こそ、天晴《あっぱれ》知識じゃ。われらも穢土《えど》の衆苦を去って、常寂光《じょうじゃっこう》の中に住《じゅう》そうには....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
そうして現在の教団は、平和の別天地ではなくなった。譎詐奸曲の横行する俗の俗たる穢土となった。 「不思議ではない、当然なことだ」 彼は思わざるを得なかった。 ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
外四供養《そとのしくよう》)、塗《ず》とは、〈不空成就仏、塗香を以て供養す、釈迦穢土に出で、衆生を利益せんと、濁乱の境界に親近す、故に塗香を以て穢濁を清む、この....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
活眼達識の士にして、初めて道破し得る卓見であると思う。この一節は、特に現世生活を穢土と罵り、途中の階段をヌキにして、一足飛びに極楽浄土にでも行こうとあせる夢遊病....
法然行伝」より 著者:中里介山
方で法然の談義の声が、かすかに聞えたから、熊谷入道が大きな声で、 「ああ、ああ、穢土《えど》という処ほどくやしい処はないワイ。関白殿の御殿だとやらで、おれ達はお....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、どうにも本当か嘘か判らない。けだし中世は、仏教的世界観の支配した時代で、現世は穢土であり、人情のまことは煩悩と見たから、聴衆の方は、子供を蹴とばすといった少々....
特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
がますます彼らに加わり、社会の侮蔑がますます彼らに注がれるに及んで、痛切に現世の穢土なることを観じ、一心に浄土を冀うのほかまた何らの光明をも認め難きの状態となっ....