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穴一
「穴一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穴一の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
に浮かされ夜な夜な歩く、夢遊病者か風来坊か。風の通しのちと変挺な、その脳味噌に風
穴一つ、明けて口惜しい手裏剣を、眉間めがけて投げてはみたが、宙にとめられ残念至極....
「昔の火事」より 著者:宮本百合子
わけなのである。 辰太郎は外へ出て、先ず火事を出した竪穴のところへ行ってみた。
穴一面に浅く雨水がたまっている。次、次、どれも長方形の池のようだ。辰太郎は、火事....
「風知草」より 著者:宮本百合子
通風のない、びっしょり汗にぬれた肌も浴衣もかわくということのない監房の生活で、毛
穴一つ一つに、こまかい赤い汗もが出来た。医者は、その汗もに歯みがき粉をつけておけ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
は、たしかに命中したとある。しかし驚異軍艦は、かすかに檣をゆるがしているだけで、
穴一つ明かないばかりか、砲弾の炸裂した様子もない。 「おい、本当か、五発命中とい....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
にならねえが、赤い鼻尖を、頬被から突出して、へっぴり腰で嗅ぐ工合は、夜興引の爺が
穴一のばら銭を探すようだ。余計な事でございますがね――性が知れちゃいましても、何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
自分の義務というものの存することを悟っているらしい。 それは、以前、子供らが「
穴一」という遊びを盛んに流行《はや》らせている時分に、与八がそれをやめさせて、身....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
衣が見たけりゃ、お前さんの眼が痛くなるまで好く御覧なさいだ。だが、いくら見ても、
穴一つ見附ける訳にゃ行かないだろうよ、擦り切れ一つだってさ。これが彼奴の持ってい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たって渠《みぞ》の成るが如く、極めて自然なものでありました。 ばくちの真似や、
穴一や、わいわい天王や、どうろく神や、わけもわからず色事の身ぶりこわ色などをする....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちょぼ一というやつがバクチの方では関《せき》なんで、それにつづいて花札、めくり、
穴一《あないち》、コマドリ、オイチョカブ……そこで、丁半を心得ていれば即ちバクチ....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
「さようで……蔵元屋のお熊は天下御法度の袁彦道の名人で御座いました。花札、骰子、
穴一、銭占、豆握り、ヤットコドッコイのお椀冠せまで、何でも御座れの神|憑りで……....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
人の入るを許さずと記したるあり。これこそ彼の岩窟ならめと差し覗き見るに、底知れぬ
穴一つ※しおの栄あらしむること能わず、惜みてもなお惜むべきなり。 堂のこなた一....
「狐」より 著者:永井荷風
を解《ほど》いて、傾《かし》げる首と共に、難題を持出した。 「全体、狐ッて奴は、
穴一つじゃねえ。きつと何処にか抜穴《ねけあな》を付けとくって云うぜ。一方口《いっ....