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「穴倉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

穴倉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放送された遺言」より 著者:海野十三
った。私が古なじみの雑仕婦の欲心と弱き女性の同情をねらうことを知らなかったなら、穴倉ながら今のようにこうして自由に振舞えるような境遇にはならなかったことだろう。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
告によると、辰伊勢は江戸町でも可なり売ったが、安政の大地震のときに、抱えの遊女を穴倉へ閉じ籠めて置いて、みんな焼き殺してしまったとかいうので、それから兎角にけち....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
直立して言った。「ですが、中佐殿は、これから、どうされます」 「吾輩は、司令部の穴倉へ、こいつを隠して置こうと思う。司令官に報告しないつもりじゃから、監禁の点は....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ん近くによってくる。 (あぶない。このままでは殺される。どうかして逃げだしたい。穴倉へつづくあの下り口まで、うまくたどりつけるだろうか。下り口の戸を開くまで、死....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
》をひねって、水を出してのむように、月人たちは、自分の家――それはもちろん地下の穴倉式《あなぐらしき》のものなんだが、そこに住んでいて、部屋にひいてある管から、....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
構《みがま》えをして、ぐるっと四方八方をにらみまわした。そこは一坪ばかりの円形の穴倉《あなぐら》になっていた。そこから一方へトンネルがつづいていた。 (どこへつ....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
赤ちゃんのときに広東語を喋ったのは、あたり前だ」 「ふしぎな人物だ。そして、あの穴倉の中でなにをしているのかね」 「博士は、科学者だ。いや、もっと説明語を入れる....
地軸作戦」より 著者:海野十三
いうようなオープンなものではなく、例によって香港の地下三百メートルに設けられたる穴倉の中にその別荘があるのであった。 某大国の特使|閣下を、金博士の許へ案内し....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
高等な生物なんだから、戦えばわれら人類が負けるにきまっているよ。こうとしったら、穴倉でもこしらえて、食料品をうんとたくわえておくんだった」 「どこか逃げだすとこ....
怪塔王」より 著者:海野十三
ました。 「ははあ、これでみると、俺はとうとう怪塔王の一味のため、俘虜になって、穴倉かどこかへほうりこまれたのにちがいない。ちぇっ、ざ、残念だ。無念だ。帝国軍人....
獏鸚」より 著者:海野十三
金庫を憎らしく思い出した。 そのとき、わが友人帆村は、幽霊のようになって、その穴倉の中に入ってきた。――警備員はそれを見るなり皮肉な挨拶をするのであった。 ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
お精霊様が絶えずそこらを歩行かっしゃりますようで、気の滅入りますことと云うては、穴倉へ引入れられそうでござります。 活溌な唱歌を唄え。あれは何だ、と学校でも先....
博物誌」より 著者:岸田国士
てしまう。 庭の泉水もその飛ぶ姿を写しとることができないほど、素早く、それこそ穴倉から屋根裏へまっすぐに飛び上がって行く。 翼の羽根ペンも軽やかに、彼女らは....
奇巌城」より 著者:菊池寛
蝋燭を持って降りていった。伯爵もそれにつづいた。ボートルレも最後に降りていった。穴倉の中は暗黒であった。蝋燭の火がちらちらと動いてわずかに探り見られた。しかし底....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
はこの片盤では、突当りの坑道にあった。そこは片盤坑道の終点になっていて、そこには穴倉や一寸した広場もあった。広場には野蛮な便所もあった。坑夫達は口が渇くと、勝手....