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究理
「究理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
究理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ないのです。ただ阿媽港《あまかわ》にいた時分、葡萄牙《ポルトガル》の船の医者に、
究理の学問を教わりました。それを実地に役立てさえすれば、大きい錠前を※《ね》じ切....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
になるという、根岸の因果塚のお物語でござりまする。 二 何事も
究理のつんで居ります明治の今日、離魂病《りこんびょう》なんかてえ病気があるもんか....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
かまえ》もなき姿であった。 従って、オランダ流の医術、本草《ほんぞう》、物産、
究理の学問に志ある者を初め、好事《こうず》の旗本富商の輩《はい》までが、毎日のよ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
馬鹿に鉄砲を放たしむるやうなもので、まことに危いことの甚しいでござる。さて、その
究理のくはしきは、悪しきことにはあらざれども、彼の紅夷ら、世には真の神あるを知ら....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。彼の心に描く「黒船」とは、およそ三つのものを載せて来る。耶蘇教はその一つ、格物
究理の洋学はその一つ、交易による世界一統もまたその一つである。彼なぞの考えるとこ....
「惜別」より 著者:太宰治
で、 文章の本質は、個人および邦国の存立とは係属するところなく、実利はあらず、
究理また存せず。故にその効たるや、智を増すことは史乗に如かず、人を誡むるは格言に....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
は元来、瞑想《めいそう》的な気質を多分に持った人間であり、一つことを考え出すと、
究理的にまで思索に没頭せねばおられぬので、詩を作り出した最初の日から、この一つの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ手が合わされねえの、ヤレ穢《けが》れるのと、わからねえ野暮《やぼ》を言うのは、
究理学をわきまえねえからのことでげす」 「ふーん、日本は野蛮の風が失せねえから、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
や教科書も別に出来ていなかったから、私は自分で拵えて、この頃出来ていた福沢物の、
究理図解、地学事始、世界国尽し、とかその他文部省出版の単語篇連語篇とかを間に合せ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
り、あなたもあるようだ。どれ」 もはや、先生は肝臓の鬼だ。慈愛の目が、きびしい
究理の目に変っている。 先生は肝臓に手をあて、強く押して診察した。 「流行性肝....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ないかと思えば、長平よりも落ちつきはらって、静かに四囲を見まわしている。そして、
究理の学徒がするような冷静な態度でくだらぬ質問をしている。礼義とか外交手腕じゃな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と思い、特に西洋へ渡って、日本ではまだ未開拓の梵語やパリー語を学び、原典について
究理したいと欲していたのだそうだ。しかし、思いがかなわぬせいか、彼は益々陰鬱で、....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
に入れよとある。……がこれでは廻り遠い。人間そうそう永生きはできぬ、百般の事物を
究理せぬうちに、一生の幕を下ろすことになろう。容易に聖賢になることはできぬ。……....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
創始者より、次の代の者、その者よりも、近頃の者と、だんだん、その学文が研究され、
究理されて、日進月歩しておる。旧習を墨守せず、よいものは、躊躇することなく取入れ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《さこうろん》を空吹く風と聞き流し、率先《そっせん》して西洋事情の紹介や、医書、
究理書の翻刻に力を入れ、長崎や横浜に仕入れの出店を持って手びろく舶載物《はくさい....