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究竟
「究竟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
究竟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
は外記のためであるということが判ったので、かねて機会を待っていた大菱屋ではこれを
究竟《くっきょう》の口実にして、すぐに茶屋に通じて外記を堰《せ》いた。 茶屋は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出した。勿論、ほんとうの生首などがむやみに手に入るわけでもないのであるが、それに
究竟の道具があった。ロイドは蝋細工の大きい人形を故郷から持って来ていた。それは上....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
決して重大に感ぜしめなかったものらしかった。が、何はともあれ、樫田武平にとっては
究竟の機会であった。 彼は用意の吹矢を取り出すなり、狙い撃ちに彼女の咽喉へ射放....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
松火を持った甲冑武者が、その先頭に立っていた。後に続いた数十人の者は、いずれも
究竟の若者であったが、一人残らず縛られていた。そうしてそれらを警護するように、抜....
「古狢」より 著者:泉鏡花
が、負われて行こう……と朧夜にニコリと笑って申されたを、通りがかった当藩三百石、
究竟の勇士が、そのまま中仙道北陸道を負い通いて帰国した、と言伝えて、その負さりた....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
る。この敬の意識は物の価値、福利とは全く次元を異にする。倫理はこの人格価値感情を
究竟の目的とすべきである。物の価値はただこの人格価値の手段としてのみ価値を持つの....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
かということほど純直な童心をいたましめるものはないからだ。 彼は世界と人倫との
究竟の理法と依拠とを求めずにはいられなかった。当時の学問と思想との文化的所与の下....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
間教養の最後は、しかしながら、書物によるものではない。人は知性と、一般に思想とを
究竟のものと思ってはならないのである。人間の宇宙との一致、人間存在の最後の立命は....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
の美を望むのは、善い事でもあり自然の事でもある。それは人生の旅の至上の理想であり
究竟である。しかし、其処へ行くだけの功蹟もなしに、余りに早く其処に到達する人々や....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
がある。 求道の手法としては吠陀や婆羅門神学に拠るところが多いが、最後の到着は
究竟の一味を持っている。大乗理想から見れば、肝腎の菩提心の一着だけは欠いているが....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
つの理想すなわち人生終極の理想で Sollen の因って生ずるところである。この
究竟の目的たる大理想は、実在を説明原理として見ないでこれを前途に擲《な》げ出して....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
えず笑顔を見せているが、対手は甚だ迷惑に感じた。と云って、ここで何時まで争っても
究竟は水掛論である。市郎も終末には黙って了った。 安行も考えた。何方の云うこと....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
みならず、ほとんど人の目的であるかのごとく心得て居るのである。普通社会の快楽なる
究竟の状態を言い顕わすにはチャチャン・ペンマという一語で事が足りて居る。少し横道....
「活人形」より 著者:泉鏡花
戸を推して入込みたる、此室ぞかの人形を置ける室なる。 垂れ下したる日蔽は、これ
究竟の隠所と、泰助は雨戸とその幕の間に、電のごとく身を隠しつ。と見れば正面の板床....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
れば安心出来なかった。この肉体さえも仏陀と等しき不生不滅の性質や働きを得なければ
究竟とは考えられなかった。 つまり初一念の希望の通りに還ったのである。そしてこ....