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穹
「穹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
寺院の内部へそっと目をやるのを忘れずにいました。
コリント風の柱、ゴシック風の
穹窿《きゅうりゅう》、アラビアじみた市松《いちまつ》模様の床《ゆか》、セセッショ....
「富士」より 著者:岡本かの子
しも動かなくなった。その拡ごりの隙より、今や見る土量の幅は天幅を閉《ふた》ぎて蒼
穹は僅かに土量の両|鰭《ひれ》に於てのみ覗くを許している土の巨台に逢着した。翁は....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、大多数の未開民族の場合と同様に、天というものは、平坦な円板状の地を覆う固定的の
穹窿である。ウォチョバルーク族(Wotjobaluk)の信ずるところでは、天は以....
「河明り」より 著者:岡本かの子
し自棄気味になっていた。 すべてが噎るようである。また漲るようである。ここで蒼
穹は高い空間ではなく、色彩と密度と重量をもって、すぐ皮膚に圧触して来る濃い液体で....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、火箭のように林立している小円柱を沿上って行って、頭上はるか扇形に集束されている
穹窿の辺にまで達していた。楽の音は柱から柱へと反射していって、異様な和声を湧き起....
「運命」より 著者:幸田露伴
に銘を勒して還りたもう。 九年春、白龍庵|有司の毀つところとなる。夏建文帝|浪
穹鶴慶山に至り、大喜庵を建つ。十年|楊応能卒し、葉希賢次いで卒す。帝|因って一弟....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ぼ》かされている。とは云え煙りこめているのではない。それは光の加減からであった。
穹窿形をした組天井、そこから龕が下っている。瓔珞《ようらく》を下げた龕である。さ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、ひょう。 かあ、かあ。 ひょう、ひょう。 雲は低く灰汁を漲らして、蒼
穹の奥、黒く流るる処、げに直顕せる飛行機の、一万里の荒海、八千里の曠野の五月闇を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
方だけに、ちょっと反感を持ったらしい。 いかにも、湖は晃々と見える。が、水が蒼
穹に高い処に光っている。近い山も、町の中央の城と向合った正面とは違い、場末のこの....
「アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
たのです。そのガラス屋根ごしに、時おりは何かこう青い色が見えるのでした。それは蒼
穹でありました。見知らぬ国の、色あせた空ではありましたが、でもやっぱり青空には違....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
かったら、渠は、この山寺の石の壇を、径へ転落ちたに相違ない。 雛の微笑さえ、蒼
穹に、目に浮んだ。金剛神の大草鞋は、宙を踏んで、渠を坂道へ橇り落した。 清水の....
「西航日録」より 著者:井上円了
同、先後聖之揆一、千万里之心通、薈諸哲心肝于一堂、鎔大地精英于一籠、藐茲丈室与天
穹窿羹牆如見、夢寐相逢、諸星方寸億劫且暮、待来者之折衷。 孔子二千四百五十三....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
水にかかずらっていた。その後、二三度訪ねたが、ロジャー氏は屋根を天文台のように蒼
穹抜きにしてみたり、ステインド硝子を窓に嵌めたりしていた。新噴水を夫人の気に入る....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
仲間はもう揃っている。始めろ始めろ。
霊等
消えよ、目の上なる
暗き
穹窿。
蒼き※気よ。
やさしく美しく
室を窺へ。
暗き雲霧は
はや散り失せしよ。....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
後の三人目の所をフレンチは行く。 監獄の廊下は寂しい。十五人の男の歩く足音は、
穹窿になっている廊下に反響を呼び起して、丁度大きな鉛の弾丸か何かを蒔き散らすよう....