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「空中楼閣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空中楼閣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
を、ほのかに喜ばせ、お役に立つことができたら、私は、それで満足しなければならぬ。空中楼閣は、もう、いやだ。私は、いまは、冷いけちな男だ。私は、机のひき出しの二十....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
てる中に、お前は段々私から離れて行って、実質のない幻影に捕えられ、そこに、奇怪な空中楼閣を描き出すようになる。そして、お前の衷には苦しい二元が建立される。霊と肉....
天災と国防」より 著者:寺田寅彦
しこれが可能とすれば、洋上に浮き観測所の設置ということもあながち学究の描き出した空中楼閣だとばかりは言われないであろう。五十年百年の後にはおそらく常識的になるべ....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
」 しばらく沈黙がつづいた後、ジョウがいいました。 「あたしたちの勝手に考える空中楼閣がみんなほんとのものになって、そこに住むことができたら、どんなにおもしろ....
病室の幻影」より 著者:豊島与志雄
って、生活というものを知らないのだ。 A――それではお前の考え方は、自惚の強い空中楼閣式の考え方なのだ。生活というものだけを知って、存在というものを知らないの....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
感覚がひとり跳梁する時、一種の曲芸が起ってくる。まやかしの組立がはじまってくる。空中楼閣が築かれてくる。絢爛な空疎な作品が生れてくる。 作品の内容と表現とが一....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ルに興味をもたせようとしたとき、彼はその懐疑的な冷笑に出会った。いつもなんらかの空中楼閣に熱中してるモークは、ユダヤ人仲間の笑い話となっていて、危険な「山師」と....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
よりは眠るほうがよかった――もしくは仕事をするほうがよかった……。 彼女はその空中楼閣が実現するまでは、夏の間パリーの近郊に小さな家を借りて、それを母と二人き....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
し、林泉や茶室というものは、禅坊主の悟りと同じことで、禅的な仮説の上に建設された空中楼閣なのである。仏とは何ぞや、という。答えて、糞カキベラだという。庭に一つの....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
、先ず、こゝを離れてはゼロである。出隆教授も森田草平氏も、その思弁生活はもともと空中楼閣であり、ゼロであった。 だいたい自我というものを考えつめて行けば、自我....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
りにも物質的であると云うのでしょうか、幾らロマンチスト的に世を見ても所せん砂上の空中楼閣で、最後はリアリス的になるのです。所詮時代の流れに抗してもそれははかない....
発明小僧」より 著者:海野十三
内閣の諸公に贈るのじゃ。」 ホンモノの珍発明集 小説より奇なる実話あり。空中楼閣的模擬発明よりも奇なるホンモノの発明も亦、無からずして可ならん哉、乃ち、....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
た男の特権みたいに思ってらっしゃるのね。ところが本当は、そんなこと愚にもつかない空中楼閣なんですわ。」 「へえ、どうして空中楼閣なんだい? 願わくは、娘さんの方....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
と、胸をおどらせながら市役所に飛んで行った。 道々の市民も一晩のうちに不思議な空中楼閣が、大阪の高空に出来たものだから、目を円くして天空を見ている。 市長室....
マリ・デル」より 著者:神西清
も事業好きの男と来てる。僕あどんな目論見を奴に話してやったか分るかい? 泡沫でも空中楼閣でもないんだ、そりゃもう、ちゃんと確実極まる、その肝腎かなめって奴さ。解....