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空元気
「空元気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空元気の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
怒る様には云うけれど、実際怒る丈の勇気はなく、事の全く破れたを知って、絶望の余り
空元気を粧うて居る事は其の声の恐れを帯びて震えて居るにも分って居る、余「其の様な....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
。鬼村博士が、偶然にも唯一人助かったことは、不幸中の幸であると、各新聞紙は悲壮な
空元気の社説を掲げた。だが、当夜の不思議な毒瓦斯電球を、誰が装置したのであるか、....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
そこでプッつり切れてしまった。 然し、こういうようなことは、調子よく跳ね上った
空元気だけの言葉ではなかった。それは今まで「屈従」しか知らなかった漁夫を、全く思....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
を、齎す。彼と俺と芸術家としてどっちが優れているだろうかなどと云って、悲観したり
空元気を出したりする必要は毛頭ないわけだ。 特にユニフォームが国家的支持を受け....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
ない金も欲しくなった。 貧亡しても、コンミッションで喜ばれるよりええと云って、
空元気をつける栄蔵も、お節の心が今となって、しみじみ味わわれた。嫁入りの時作った....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
のであった。そして自分の云っている事が自分ながらあまりに乱暴で、粗雑で、あまりに
空元気のような気がしてならなかった。 老医師は、おいおいと、自分の息子があまり....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
近頃二人の男の間に挟まり、毎日続く焦慮にすっかり気持ちの制禦を失って居た彼女は、
空元気さえもう長く張りつめて居られなかった。彼女は白磁のように自い気品のある顔の....
「偽刑事」より 著者:川田功
けないと云う気に成って了った。彼は一ト足|歩度を伸ばすなり、妙に好奇心の加わった
空元気を出して呼びかけた。 「一寸お尋ね致しますが」と云った其瞬間、彼は其後をど....