空吹く風[語句情報] » 空吹く風

「空吹く風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空吹く風の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
燈《そうまとう》のように想《おも》い出され、清さんのそれからの御意見も、いつしか空吹く風と、きき流したくなりました。と、不意に、(意見せられて、さし俯向《うつむ....
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
《がいさい》の恨《うらみ》は人を欺く笑《えみ》の衣に包めども、解け難き胸の乱れは空吹く風の音にもざわつく。夜となく日となく磨きに磨く刃の冴《さえ》は、人を屠《ほ....
もの思う葦」より 著者:太宰治
もあろう。(ないかも知れぬ。) 追記。文芸冊子「非望」第六号所載、出方名英光の「空吹く風」は、見どころある作品なり。その文章駆使に当って、いま一そう、ひそかに厳....
一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
に、いっそ果知れぬ空虚の底に我身を打沈めてしまいたい衝動にかられます。月を眺め、空吹く風を愛し、お琴や三絃にうさをまぎらそうと致しましても、深い深いうつろ心の救....
魔都」より 著者:久生十蘭
んな際には先に立って捜査の指揮にあたらなければならぬ筈なのに、これほどの大騒動を空吹く風と聞き流し、こんなところにへばり込んでいるのは、日ごろ敏捷明快なその人に....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
という挨拶があるか。……たしなまッせえ、この下司《げす》ものめが」 顎十郎は、空吹く風と聞きながし、 「ときに叔父上、あなたもめっきりお年をとりましたな、そう....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。 いずれも腐儒《ふじゅ》の因循《いんじゅん》をわらい、鎖港論《さこうろん》を空吹く風と聞き流し、率先《そっせん》して西洋事情の紹介や、医書、究理書の翻刻に力....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
に、海ぞいの窓ぎわに席を占めた男女二人の若き東洋人、満堂の噪聒《そうてん》乱語を空吹く風と聞き流し、※ナニ、花馬車の一等賞はこっちのものサ。と、ゆうゆうと冷凍菓....
註文帳」より 著者:泉鏡花
が心得ますから、ねえ、お若さん。」 お杉大明神様と震えつく相談と思の外、お若は空吹く風のよう、耳にもかけない風情で、恍惚して眠そうである。 はッと思うと少年....
五重塔」より 著者:幸田露伴
塔も倒れよ暴風雨もこの上烈しくなれ、少しなりともあの塔に損じのできてくれよかし、空吹く風も地打つ雨も人間ほど我には情なからねば、塔|破壊されても倒されても悦びこ....