» 空威張

「空威張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空威張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
実篤《むしゃのこうじさねあつ》に至る語彙《ごい》の豊富を誇っていたのもことごとく空威張《からいば》りになってしまう。保吉はたちまち机に向うと、インク壺へペンを突....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
しその写真を見せながら不服そうに云った。 「ねえ、あなた。ショーのおやじは、あの空威張りの傲慢の時の方が似合いますね。アインシュタインがいくら偉大な学者だって、....
審判」より 著者:カフカフランツ
めてばかげた光景を思い浮べてみるのだが、それはたとえば、この憐れむべき学生、この空威張りの坊や、脚の曲った髯の男が、エルザのベッドの前にひざまずき、手を合わせて....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
。どうぞ、スッパリとやって下さいませ。その方が、私も気持がよろしゅうございます」空威張や、てらいで云っているのではなく、心からそう云っているのだった。 「いや、....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
大名・侍が、いかに威張って、しかもいかに馬鹿なものが多かったかが知られます。その空威張りして、しかも馬鹿者の多かった大名・侍等が地位を失い、土民との間に階級の区....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
はない。それで私はこの人の権威を感ずると申しましても、この権威の出どころたとえば空威張りとか、どういうようにその人が顰面をしましても、自分の権威をつくろうとしま....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ィルスンの反抗は、私にはこの上ない当惑の種であった。――人前では彼や彼の言い草を空威張りであしらうようにとくに気をつかったものの、内心では彼を恐れていた。また、....
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
皆さん――この壁はがんじょうにこしらえてありますよ」そう言って、ただ気違いじみた空威張《からいば》りから、手にした杖《つえ》で、ちょうど愛妻の死骸が内側に立って....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
の恐怖の念が大部分なくなったのです。絶望が神経を張り締めてくれたのでしょうかね。空威張りするように見えるかもしれません――が、まったくほんとうの話なんです、――....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
真実味が欠けて来た。うわべは昔以上に生気溌剌たるものがあるようで、実は付け元気や空威張りになって来た。 彼等の負けぬ気は口先ばかりの腸《はらわた》無しとなった....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、いたずらに小さな内地において「我が三越は世界いずれかの百貨店に劣らない」などと空威張りせずに、眼を海外に転じて、ロンドンであるとか、パリであるとかいう、世界の....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
。嘘《うそ》を言っているのでさえなければなあ。いや、おれは今どうか嘘をついたり、空威張《からいば》りをしたりはしたくないものだ。おれがこの人のことを考えるという....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
度ならずあった。あたかも彼は喧嘩を求めてるかのようだった。けれども彼は、そういう空威張《からいば》りの危険な無益さを認むることにおいては、あえて人後に落つるもの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ぜひともクリストフに述べようとした。 彼は、ゲルマン風の感傷性と、パリー人的な空威張《からいば》りと、生来の自惚《うぬぼ》れとが、不思議に混合してる人物だった....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
つの喫煙癖のためさらに痛められてる喉《のど》、微弱な活動力、結核患者めいた気質。空威張《からいば》りと皮肉と悲痛との交じり合ってる様子だったが、激しやすい大袈裟....