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「空威張り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空威張りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
真実味が欠けて来た。うわべは昔以上に生気溌剌たるものがあるようで、実は付け元気や空威張りになって来た。 彼等の負けぬ気は口先ばかりの腸《はらわた》無しとなった....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ィルスンの反抗は、私にはこの上ない当惑の種であった。――人前では彼や彼の言い草を空威張りであしらうようにとくに気をつかったものの、内心では彼を恐れていた。また、....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
の恐怖の念が大部分なくなったのです。絶望が神経を張り締めてくれたのでしょうかね。空威張りするように見えるかもしれません――が、まったくほんとうの話なんです、――....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ったのではなくって、急な坂を駆け下りたのです。そのことばに力を入れたのは、ただの空威張りだったということにはならないでしょうか……」 「そうですよ、そうですよ!....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。「素敵だ! 俺《おれ》の音楽はこのほうがよく響くだろう………。」しかしそういう空威張りも、費やした金を償ってはくれなかった。そして二人は寂しく家に帰っていった....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
で、その針は北から南へ南から北へと一飛びに動き回っていた。公衆中では仲間の人々の空威張りにやはり調子を合わしていた。しかし独裁者でも出てくればそれにひそかにすが....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
し》を信条として振りかざしていた。狭い良識を、一徹な現実主義を、国民的利己心を、空威張りに称揚していた。その破廉恥な国民的利己心は、祖国を偉大となすことに役だつ....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
はない。それで私はこの人の権威を感ずると申しましても、この権威の出どころたとえば空威張りとか、どういうようにその人が顰面をしましても、自分の権威をつくろうとしま....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、いたずらに小さな内地において「我が三越は世界いずれかの百貨店に劣らない」などと空威張りせずに、眼を海外に転じて、ロンドンであるとか、パリであるとかいう、世界の....
南国太平記」より 著者:直木三十五
君は、お喜びになるにちがいない。又、世の中を見ると、のう、庄吉、武家は、徒らに、空威張りのみで、金子の前に、頭を下げぬ者が、幾人おる」 「そうでござんすとも――....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
しその写真を見せながら不服そうに云った。 「ねえ、あなた。ショーのおやじは、あの空威張りの傲慢の時の方が似合いますね。アインシュタインがいくら偉大な学者だって、....
審判」より 著者:カフカフランツ
めてばかげた光景を思い浮べてみるのだが、それはたとえば、この憐れむべき学生、この空威張りの坊や、脚の曲った髯の男が、エルザのベッドの前にひざまずき、手を合わせて....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
大名・侍が、いかに威張って、しかもいかに馬鹿なものが多かったかが知られます。その空威張りして、しかも馬鹿者の多かった大名・侍等が地位を失い、土民との間に階級の区....
大岡越前」より 著者:吉川英治
こっちでも、近頃にない気味のいいことだ、やったのは、町奴か、旗本か。イヤ、ふだん空威張りばかりしている奴らにそんな気のきいたまねができるもんか、これは天狗業だろ....