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空寝入り
「空寝入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空寝入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安重根」より 著者:谷譲次
のはたしか十七の春だった。うむ、洪神文というんだ。君は識らないかなあ。 禹徳淳は
空寝入りをして鼾をかいている。長い間がつづく。 安重根 おやじの安泰勲が倹約家で....
「木の芽だち」より 著者:宮本百合子
れた。聰明な伊達の家長たちは、その危険を十分に洞察した。伊達政宗がわざと大酔して
空寝入りをし、自分の大刀に錆の出ていることを盗見させた逸話は有名である。伊達模様....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていました。もしまたそれと知った者があっても、斯様《かよう》な際には、心ならずも
空寝入りをして聞き逃すのが例でありました。遠藤老人とても酒の気さえなければ、そう....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たようである。小君のために妻戸をあけに出て来た童女もそこへはいって寝た。しばらく
空寝入りをして見せたあとで、小君はその隅の室からさしている灯《ひ》の明りのほうを....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
、運命的な代物を信じようとはなさいますまいね。僕はこの通り、不在証明もなければ、
空寝入りしようともしませんよ」 「いや、運命的なのは、オフェリヤ狂乱そのものじゃ....
「三国志」より 著者:吉川英治
せて、蒋幹は身の毛をよだてた。さても、油断のならぬことよ、心もおどおどして、もう
空寝入りしているのも気が気ではない。 やがてのこと――密使の男と、ひとりの大将....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
だけ泣かしておけば気がおさまるにちがいない。良人は小康をえた心地だった。そのまま
空寝入りを持ちかけていたのである。 ところが、やがて泣きやむと、波路はするする....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
なすったぜ――という風に、一同、元気なく膝を直したが、左次郎だけは起きなかった。
空寝入りでなく、ほんとにその頃になって、彼はやっとトロトロした風だった。 「なん....