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「空念仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空念仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非人道的な講和条件」より 著者:与謝野晶子
満足すれば好いので、それ以上の高遠な理想を持っていませんから、正義は要するに鬼の空念仏であって、実際に利己主義を貫徹するためには、如何なる厚顔無恥な手段をも採り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
兜巾《ときん》から下着まで、いちいち剥ぎ取ってしまおうとするまでで、彼等の謝罪を空念仏《そらねんぶつ》に聞いている。 しかし、芝居の方面ではそうは考えず、この....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
じょう》いたしますように。」 なまいだ、なまいだ、なまいだ、と棺から出てきても空念仏《そらねんぶつ》を言いつづけていた。 おやそさんが、漬物桶《つけものおけ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、和讃歌もお経も覚えようとしなかった。松さんがその事を帰りに訊《き》いたら、 「空念仏《そらねんぶつ》だ。」 といった。では、なぜ毎晩参詣なさいますといったら、....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
に、合理化してもタカが知れており、共産主義だの経営の合理化だのとチャチなお題目や空念仏を唱えるよりも、ホテルをつくり、道路を良くし、外国から旅行客をつれこむ方が....
神経」より 著者:織田作之助
一の材料かと思うと、何だか心細い気がして、「起ち上る大阪」などという大袈裟な題が空念仏みたいに思われてならなかった。 ところが、一月ばかりたったある日、難波で....
私本太平記」より 著者:吉川英治
以て、厳罰に付すべきで、それをゆるしなどしては、治安もくそもありません。ご粛正も空念仏に帰しまする」 直義は、むきになって、言いまくしたものだった。 「なんの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
何者のしわざとも知れないのである。 こういうふうで、直義と義詮との一体政治も、空念仏に過ぎず、むしろ両者は疎隔するばかりであった。六月の或る夕、直義が義詮を訪....
はつ恋」より 著者:神西清
らめている彼は、しょっちゅう彼女に結婚を申込んで、ほかの男の言うことは、要するに空念仏に過ぎないと、ほのめかすのであった。 マイダーノフは、彼女の魂のなかにあ....