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「空所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ですよ」と教え、書棚の中から厚い本を二冊ほど抜き出した。爾して其の本の抜けた後の空所へ手を差し入れたが、秘密の鈕《ぼたん》でも推したのか忽ち本箱が扉の様に両方へ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
って、屋根や壁そのものにはない。水さしの役に立つところは水を注ぎ込むことのできる空所にあって、その形状や製品のいかんには存しない。虚はすべてのものを含有するから....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
には昨日から歯を削っていた歯車が据えつけられたまゝになっていた。 大乗盤の側の空所に、註文の歯車やシャフトや鋲付する煙筒や鉄板が積まさっていた。仕上った機械の....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
を持った武士が一人だけ円陣から抜けだしてふすまの面へ食っついたので、円陣の一所へ空所が出来て、そこから射し出している燈火の光が、ふすまの方へ届いて行って、そこに....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
ないほどで、出る時に出られるかどうかと思うくらいであった。網棚に絵の具箱をのせる空所もなかったのでベンチにのせかけて持っているうちに、誤って取り落とすと隣に立っ....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
と、なんだかそこいらの林を切っているらしく、林の上っ葉が一所ずつ揺れて、そこだけ空所ができていくようだ。目あてにして行くと、四五人の男が炭材を伐採していた。訊く....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら窓の近くの小卓の上に散らばっていた古い新聞の片すみを引き裂いた。彼はその欄外の空所に一二行の文句を書きつけ、それを折って別に封もせずに、料理手伝いや小使いをや....
自由人」より 著者:豊島与志雄
胸のうちを大きく抉り取られたような哀感は、火山から来たものであるにしても、そこに空所をあけたのは俺自身だ。それを填たすのも俺自身でしなければならない。 室の一....
街頭」より 著者:岡本かの子
よく相談しなさい。 そしてわざと丁寧な挙手をした。 二人の抜けたあとの行列の空所は直ぐうずまった。 基督降誕祭にはあと四五日の土曜の夜だ。高いオペラの空気....
空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
本がございますが、これはいずれもなかなかの掘り出しものです。あの本棚の第二段目の空所は、せいぜい五六冊もあれば、きちんと埋まりますが、いかがですか? あの空所は....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が世話になっている家は、農家の常とて、表口から裏口にかけて、突き抜けていて、その空所が広い土間である。この家では、その土間の中ほどより裏口に近いところに大きな食....
暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
みると、 AM HERE A. ESLANE. となり、また、名前の解りきった空所を満たしてみると、 AM HERE A. E SLANEY. 私はもうかな....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
を持った武士が、一人だけ円陣から抜け出して、襖の面へくっついたので、円陣の一所へ空所ができてそこからさし出ている燈火の光が、襖のほうへ届いて行って、そこにくっつ....
地上」より 著者:島田清次郎
へ茣蓙を敷いて、栗の罐詰と酒を持って来てくれないか」と彼はどなった。主檣の周囲の空所に三人は坐りこんだのだ。お光は半ば恐ろしく半ば壮快に見渡す大海原を眺めていた....
迷信解」より 著者:井上円了
に触るるならば、その一局部に限り外部の気圧がなくなりたるゆえ、人体内部の気がその空所をみたさんとしてほとばしり出ずるときに、皮肉を破裂せるによると申すことじゃ。....