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空文
「空文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ことになっていました。実際またそうでもしなければ、残金二百円|云々《うんぬん》は
空文《くうぶん》に了《おわ》るほかはなかったのでしょう、何しろ半之丞は妻子は勿論....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の実験が行なわれることとなりました。けれども急に理想までは達しかねて、国際連盟は
空文になったのです。しかし世界は欧州戦争前の国家主義全盛の時代までは逆転しないで....
「蠅男」より 著者:海野十三
た。 この調子なら、蠅男もこの一画に閉じこめられたまま、あの殺人宣言はむなしく
空文に終ってしまうことかと思われた。 正木署長が呼ばれて、交番の方へ歩いていっ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
得ないだろう。 血の迷信は少しも深刻な哲学でも文学でもなくて、実は極めて皮相な
空文句なのである。ヒトラーがドイツの愚民を如何にこの血の迷信によって引きまわして....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
の現代文学は、この角度から、世界文学のうちに何かの意義をもつものであるか、或は、
空文の憲法をもち、天皇というシムボルをもつ屈従の民のはかない気まぎらしの智慧の輪....
「離婚について」より 著者:宮本百合子
民法で、婦人の立場が男と平等に積極的に書かれるようになったというだけでは、殆んど
空文にひとしい。社会の実際の日々に、すべての職場に、男女の働いて生きる人の必要を....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
た人間はどこにもいないというわけだ。つまり我々は、日本空軍のおかげで、世界一の防
空文化人なんだ。そうでしょうが」 「あ、なるほど、なるほど。しかし、ずいぶん長期....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
れがどうもよくわかりません。“船名ハ――”とまでは、打ってきましたが、そのあとは
空文なんです。符号がないのです。どうも変ですね。なぜ船名をいわないのでしょうか」....
「水の女」より 著者:折口信夫
宮廷の大祓式は、あまりにも水との縁が離れ過ぎていた。祝詞の効果を拡張し過ぎて、
空文を唱えた傾きが多い。一方また、神祇官の卜部を媒にして、陰陽道は、知らず悟らぬ....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
たのである。 それは文法にあわない、とか何とか学者先生が叫んでみたって、文法の
空文とちがって言葉にこもるイノチというものは死んだ法則の制しうべからざるものなの....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
は幕末外交の真相を詳にせざるがために、折角の評論も全く事実に適せずして徒に一篇の
空文字を成したるに過ぎず。 「勝伯が徳川方の大将となり官軍を迎え戦いたりとせよ、....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
ってしまう。そして私たちが良心的に行動しようと思うならば、もはや事実上守られない
空文の規則をもつ協会を脱退するか、武士は食わねど高楊子式の旧道徳をまもって、規定....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
これまでのいわゆる哲学や宗教や道徳や法律は皆この根本の人間の疾患に立到らない空理
空文である。もしこの精神的欠陥に対する心理療法が完成したなら古今の聖賢の教訓は総....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
務の遂行を強制されることによって海外派兵はさけられなくなり、憲法第九条はまったく
空文化することになる。とくにこの改定によってアメリカの核兵器持ちこみを許し日本が....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
れを排斥する自衛的手段として、将校団銓衡会議を採用したものと信ずる。日本では全く
空文で唯形式的に行なわるるに過ぎない。 私は更に徹底して幹部を総て兵より採用す....