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「空様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空様の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夢十夜」より 著者:夏目漱石
《まっくら》な道の傍《はた》で、たちまちこけこっこうという鶏の声がした。女は身を空様《そらざま》に、両手に握った手綱《たづな》をうんと控《ひか》えた。馬は前足の....
食堂」より 著者:森鴎外
が、小道具として据え附けてある。これは不断片附けてある時は、腰掛が卓の上に、脚を空様にして載せられているのだが、丁度弁当を使う時刻なので、取り卸されている。それ....
死者の書」より 著者:折口信夫
がて、風は山を離れて、平野の方から、山に向ってひた吹きに吹きつけた。峰の松原も、空様に枝を掻き上げられた様になって、悲鳴を続けた。谷から峰の上に生え上って居る萱....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
るのかね、そのお高という娘に」 「いいえ。何でも柘植の親類《つながり》とかで、一空様という坊さまが、一度その用でみえられただけでございます」 「が、まあ柘植の金....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
との解剖を見るべく、またかの筍掘《たけのこほ》りが力一杯に筍を引抜くと共に両足を空様《そらざま》にして仰向《あおむき》に転倒せる図の如きは寔《まこと》に溌剌《は....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
さに遠眼鏡へ目を当てた。 「こいつアすてきだ、淡路島が足もとへ来ていやがる、孫悟空様がきんと雲に乗って行っても、こう早くは淡路へ着くめえ。どれ、だんだん東へ歩こ....