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「空白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生きている腸」より 著者:海野十三
についても、また誰も知る者がなかった。 「生ける腸《はらわた》」の実験は、すべて空白になってしまった。 ただ一人、熊本博士は吹矢に融通した「生ける腸《はらわた....
蠅男」より 著者:海野十三
められてあった。 それから一週間ほどして、日記帳のページは何のためか十日間ほど空白のまま残されていたが、その後の日附のところには、突然|糊本千四郎の名が現われ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
さっと掃《は》いただけでやめ太い指で紙をつまんで、次の頁をめくった。 次の頁は空白《ブランク》だった。 (さっぱり商売にならんねえ) と、課長は、刑事時代か....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
ていたが押し釦の一つをぷつんと押した。すると紙がぱっと蛍光色を呈して光りだした。空白の紙上にはありありと図面が浮び上る。 「共軛回転弾というのは、こういう具合に....
久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
と、悲痛な決心をしたものの、途端に、V会脱退を後悔したものだ。それから暫く、私の空白時代である。私は、クラブ化粧品の広告部に、月六千円で嘱託にやとわれた。そして....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
嘗めながら呻らせる魔力をも備えていて、実に神秘なところがある。 本書にはわざと空白を用意してあるが、そこでは部分的計算や、やりかえしをするために、せいぜい鉛筆....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
この書の訳者は老母に読ませたい一心から活字をわざわざ四号にして、文章の段落に空白を置かず、追い込みに組んで印刷させた。活字を大きくしたために増加する頁数を節....
光は影を」より 著者:岸田国士
ノートであるが、ところどころに講義の筆記らしい走り書きがしてあるだけで、大部分が空白のまゝである。読みにくい字を拾い拾い、どんなことが書いてあるか、たゞ好奇心だ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
専門的たるとを問わず、それが常に、おおむね、ある一方に偏していたり、大切な部分に空白があったりすることです。そして第二には、それが同時に感覚的、肉体的に捉えられ....
短命長命」より 著者:黒島伝治
打ってしまうそのことにも意義があるだろう。いや、それが春月のように今までの世界が空白になって、それからさきが彩られて──最も意義あることなのかもしれない。 ....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
た半ぺらの原稿用紙には「時代の小説家」という題と名前が書かれているだけで、あとは空白だった。私はその題を見ただけで、反動的ファッショ政治の嵐の中に毅然として立っ....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
にまとまりよく、そして鮮かに引き結ばれたので、その後に残った却って興味索然とした空白が四ツの顔をただまじまじさせた。 景子は切上げ時だと思って催促の眼ざしを宮....
西航日録」より 著者:井上円了
ー山嶺にかかる。すなわち一律を賦す。 洛山深処暁冥冥、雲影侵窓夢忽醒、残雪懸天半空白、老杉繞水一渓青、絶無人跡渾蕭颯、唯有風光自秀霊、今夕不知何処宿、鉄車直下入....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
は零日となる。米国に往航するときには一日の余日を生じ、日本へ帰航するときは一日の空白を生ずるなり。 十一日、晴れ。ただし驟雨あり。西北風つよく、船の進行を妨ぐ....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
を光らしている珍風景が、常に跡をたたないというのがこの道の現実である。 懐中の空白を意とせず、われに眼力ありとばかり道具屋並列の町々は、常に賑わっている。しか....