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空荷
「空荷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空荷の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
音が流れてきた。その間に汽船の警笛が、耳の底に沁《し》みこむように聞こえている。
空荷になった荷物橇《にもつぞり》が、大きな鈴を喉《のど》にぶらさげて毛の長い馬に....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
する、幸先を祝った篝火《かがりび》のようにも思われるのだ。
退って、例の河岸の
空荷を積んだ物影に立って、なおも、成りゆきをみつめていると、だしぬけに、横手の塀....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けれど、拙者はちと急ぎの用があって甲府まで帰らねばならぬ者、お見受け申すに、馬は
空荷《からに》の様子、せめてあの丸山峠を越すまでその馬をお貸し下さらぬか」 兵....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
びわじま》の青物市場へ青物をつけて行った一頭の馬が、馬子に曳《ひ》かれて、帰りの
空荷の身軽さに蹄《ひづめ》を勇ませて、パッタリと横道から米友の眼前に現われたもの....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
りお召になったら如何でござんす、二居まで二里八丁、いくらでも宜しゅうございます、
空荷で歩くと却って寒くて堪りません、女中衆一人ぐらい何の空籠より楽でござんす、ね....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に見出される。 然るに今日では遺憾ながら、足の弱い駄馬が重荷に喘ぎつつ足の強い
空荷の駿馬と競争しつつある現象が数多く見られる。世の不景気を知らぬ顔に収益を挙げ....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
ある。すなわちニューヨークから、満載した貨物と旅客をサンフランシスコで下ろすと、
空荷のまま一気に太平洋を乗切って、広東または上海で茶を積込み、インド洋および喜望....