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「空言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
語られざる哲学」より 著者:三木清
出されずにはいられないもののようである。もしそうでないとすれば他力の信仰は畢竟|空言《そらごと》でなければならぬ。しかのみならず、法律でさえ明かに罰するような大....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ずば、善導の御釈偽りでございますまい。善導の御釈偽りならずば法然聖人の御勧化よも空言ではありますまい。(間)いやたとい法然聖人にだまされて地獄に堕ちようとも私は....
運命」より 著者:幸田露伴
生は乃ち 周の容刀。 生は乃ち 魯の※。 道|真なれば 器乃ち貴し、 爰ぞ須ゐん空言を用ゐるを。 孳々として 務めて践形し、 負く勿れ 七尺の身に。 敬義 以て....
辞典」より 著者:戸坂潤
疎な言辞と大言壮語の類がイデオロジーだと考えられるようにさえなった。同時に哲学的空言家がイデオローグ 〔ide'ologue〕 と呼ばれるようになった。ナポレオ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、国本培養に心を注ぐの士、極めて乏しきは慨すべく歎ずべし。故に良き百姓は、世上の空言虚語に惑はされず、大いに食ひて大いに働き、自ら三年の糧を貯ふると共に、国に三....
かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
語などをおりおり取り上げて、その端《はし》などを読んで見ると、ずいぶん有り触れた空言《そらごと》さえ書いてあるようだから、自分の並々ならぬ身の上を日記につけて見....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
か? これを合理的に証明することができなければ、それ等の人達の言説は、ただ一片の空言に過ぎないと謂わねばならぬ。そうした人達が教界の指導者であっては、人生も亦禍....
道化役」より 著者:豊島与志雄
行きたくない気持だった。彼女は蓄音機とレコードを持ってきてやると云ったが、それは空言に終った。それからまた、頭の中で考えてる小説の筋などを話して、私の批評を求め....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は戦闘において戦死をするくらいには勇敢だった。しかしながら、大袈裟《おおげさ》な空言を弄《ろう》せず、自分の位置で泰然と事務を執りつつ、舵《かじ》の柄《え》を握....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
したいものである。すべてそれらの名目は、美辞麗句であり空太鼓《からだいこ》であり空言《そらごと》である。そのふくらみは針でひと突きすれば縮んでしまう。その描かぶ....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
四囲の現実というものは、なお戦争そのものなのである。戦争は終った、という観念上の空言を弄して、この現実に新展開をもとめようとするのは、現実に魔法を行おうと試みる....
決闘」より 著者:神西清
主だ。君も聞いたろうが、あの男はしょっちゅう探険旅行の話をしている。あれは決して空言じゃないんだ。彼には沙漠が、月夜が要るのだ。あたりを見廻すと、天幕の中にも野....
双面獣」より 著者:牧逸馬
うに、散ざん殴った上滅多斬りにするのだ――其の他凡ゆる復讐の手段が、単なる威嚇や空言でなしに、フリント市とマウント・モウリス町の街角や、人の集まる場処で、現実に....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
のことを、と申しますのは勿論信心のことでございます。然しそう唱えながらも斯ういう空言を申さねばならぬ身の因果、女の罪障、恐ろしゅう思われてなりませぬ。もうしお上....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
佐や花田中佐の真似はとても出来ないのを自ら知らないほどのウツケではないが、そんな空言を叩いて拠ろなしの文学三昧に送る不愉快さを紛らすための空気焔を吐いたのであろ....