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空談
「空談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空談の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
僕はあくまで、統計上の数字というものを軽蔑する。だがしかしだ。あの女は、一場の架
空談を造り上げて、実際見もしなかった人物が、寝室に侵入したと云った。いかにも、そ....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
言のいい続けどす」まるで何を言っているのか、拘攣したように変なところに力を籠めて
空談を巻いている。 合壁一つ隔てた女の家では、いつまでも母親ががみがみがなる声....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
ているのもおもしろかった。風呂にはいっては長椅子に寝そべって、うまい物を食っては
空談にふけって、そしてうとうとと昼寝をむさぼっていた肉欲的な昔の人の生活を思い浮....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
これらの報道は多くの人々の好奇心を満足させ、いわゆるゴシップと名づけらるる階級の
空談の話柄を供給する事は明らかであるが、そういう便宜や享楽と、この種の記事が一般....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
珍しいこの経験を家族に話した。すると家族の一人は次のような類例を持ち出してさらに
空談に花を咲かせた。 この間子供等大勢で電車に乗った時に回数切符を出して六枚と....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
思っているうちに肝心な職務上の仕事が忙しくて思うように復習も出来ず、結局|瑣末な
空談をもって余白を汚すことになったのは申訳のない次第である。読者の寛容を祈る外は....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
などに瞥見するところである。これを何と形容したら適当であるか、例えばここに饒舌な
空談者と訥弁な思索者とを並べた時に後者から受ける印象が多少これに類しているかもし....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
信じられなかった。女の写真屋の話はそれ切で、その後コッチから水を向けても「アレは
空談サ」とばかり一笑に附してしまったから今|以て不可解である。二葉亭は多情多恨で....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
迷惑だったに違いない。かつ天下国家の大問題で充満する頭の中には我々閑人のノンキな
空談を容れる余地はなかったろうが、応酬に巧みな政客の常で誰にでも共鳴するかのよう....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
上の最良政策としても浦塩へ行って女郎屋を初めるといっていた。この女郎屋論は座興の
空談でなくして案外マジメな実行的基礎を持ってるらしかったが、余り突梯だから誰もマ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たものである。 これが「古典太平記」を元として、なんら拠りどころない一|場の架
空談とは、史家の史説をまつまでもなく、現代人には、わかり切っていようというもので....
「それから」より 著者:夏目漱石
こん》として、勿体《もったい》らしく出るが、要するに端倪《たんげい》すべからざる
空談である。それを基礎から打ち崩して懸かるのは大変な難事業だし、又|必竟《ひっき....