空谷の跫音[語句情報] » 空谷の跫音

「空谷の跫音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空谷の跫音の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
言葉としか聞こえませんが、さすがに舎利弗には、この「因縁」という一語が、さながら空谷の跫音のごとくに、心の耳に響いたのでした。昔から仏教では、この一句を「法身偈....
取舵」より 著者:泉鏡花
ゃ耐らん。ちと甲板へお出でなさい。涼しくッてどんなに心地が快か知れん。」 これ空谷の跫音なり。盲人は急遽声する方に這寄りぬ。 「もし旦那様、何ともはや誠に申兼....
キビキビした青年紳士」より 著者:甲賀三郎
符」などの名篇が陸続として現われた。 当時これ等の名篇は創作探偵小説界に於ける空谷の跫音として、何人も一読三嘆したものだが、O君の伝える所によると、作者は相当....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
だった――その戯作を堂々と署名して打って出たという事は実に青天の霹靂といおう乎、空谷の跫音といおう乎、著るしく世間を驚かしたものだ。 自分の事を言うのは笑止し....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
中の静寂――、それはだいぶ遠いらしいが、世阿弥の耳へは怖ろしく近く聞こえてくる。空谷の跫音である。 世阿弥は耳をたてて、その人声のする方へ伸びあがった。 た....