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空費
「空費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
あろうものを。 私は本能的生活の記述を蔑ろにして、あまり多くをその讃美の為めに
空費したろうか。私は仮りにそれを許してもらいたい。何故なら、私は本能的生活を智的....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
のだった。 「先生、あと五分しかありません」 襲撃事件でわれ等は貴重なる時間を
空費し過ぎた。 「それでは。――相良さん。御依頼の件の御報告をいたします。口で申....
「恐竜島」より 著者:海野十三
くてはならないところにも、まったく何も落ちていないのであった。 一時間あまりを
空費《くうひ》して、何の収穫《しゅうかく》もなかった。そのとき彼らは、ロープで下....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
と来たらいちいち石橋を金槌で叩きまわるような莫迦丁寧な検べ方をして、貴重な時間を
空費するのだ。だから長谷戸だけに委せておいたら捜査は何時間経とうが何日過ぎようが....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
かなか思わしい報告が入って来ない。 そのうちに、三時間は経過し、やがて四時間が
空費されようとしたときにとつぜん一隻の潜水艦が、マイカ大要塞の海門をまもる海中|....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ところ僕を悩ます最大のものは、宇宙旅行の冒険ということよりもむしろ向う十五ヶ年の
空費についての悒鬱であった。 そういう折柄、リーマン博士が、初めて僕ら新聞記者....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
りいい心地になっていた梅野十伍は、時計の指針を見て急に慌てだした。彼は随分時間を
空費した、早く書き出さねば間に合わない。探偵小説、探偵小説、探偵小説ヤーイ。 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、到底これに一指を染め得ないであろう。折角の大祭日が暴飲暴食と、賭博と、淫楽とに
空費せらるることは、たまたま地上の人類が、いかに神霊上の知識に欠けているかを証明....
「髪」より 著者:織田作之助
い男であるかということを悟ったらしい。二人の意見は完全に一致して、私たちは時間の
空費をまぬがれることが出来たのである。 青春も若さも大急ぎで私から去ってしまっ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
を、凡人生活の上に移して基調とした芭蕉の出た所以も、納得がゆく。同時に長い年月を
空費した短歌から見ると、江戸の俳句の行きあしは遥かに進んで居る。 而も俳句がさび....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
下 地球遂に滅亡す 新世界建設同盟会員は、今や甲論乙駁に、貴重の時間を
空費して、何らの希望を認むる能わず、ただ人々の神経が、殆ど沸騰点に上ったに過ぎぬ....
「髷」より 著者:上村松園
をなでつけ身仕度が出来る簡単さとくらべれば、わざわざ髪をちぢらすのにかける時間の
空費は実にもったいないことである。私にはどういう次第か、あの電髪というものがぴん....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
、寿司の土産はある。 著物を手に入れるあてもなく、まごまごしていたずらに時間を
空費しておれば、雪子の空腹は増すばかりだと、小沢は淀屋橋から地下鉄に乗った。 (....
「ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
う。いかにも、今この手記を認めて居るのは午前五時であるから、約五時間ほどの時間が
空費されたのだ。然し、それは決して
空費されたのではなく、その間に極めて重大なこと....
「審判」より 著者:カフカフランツ
、それでしばしば、ほかのことをやればもっとずっとよく使えるものを、時間と労力とを
空費するのだ。唯一の正しい道は、現状に満足するということだ。個々の細かな点は改善....