空間[語句情報] »
空間
「空間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
すあお》いパイプの煙は粟野さんの存在を証明するように、白壁《しらかべ》を背にした
空間の中へ時々かすかに立ち昇《のぼ》っている。窓の外の風景もやはり静かさには変り....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
の石を蹴《け》はずした。が、不思議にもその童児は頭を土へ落すどころか、石のあった
空間を枕にしたなり、不相変《あいかわらず》静かに寝入っている!
「いよいよこの小....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
。ただ色の薄い花と葉とが、ひっそりと一つになって、薄い日の光に浴している。これは
空間を斜《ななめ》に横ぎって、吊《つ》り上げられたようにすっと消えた。
すると....
「路上」より 著者:芥川竜之介
生で、中には年輩の袴《はかま》羽織や背広も、二三人は交っていたらしい。それが広い
空間を規則正しく塞《ふさ》いだ向うには、壁に嵌《は》めこんだ時計の下に、うす暗い....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
って消えてしまうと、その煙の行方を見送るように、静に眼を本間さんから離して、遠い
空間へ漂《ただよわ》せながら、頭を稍《やや》後へ反《そ》らせてほとんど独り呟くよ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の精神的雰囲気或は流行に包まれなければならぬ。
又
のみならず芸術は
空間的にもやはり軛《くびき》を負わされている。一国民の芸術を愛する為には一国民の....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
た。するが早いか一躍《ひとおど》りに保吉の頭を躍《おど》り越えた。彼は誰もいない
空間へちょいと会釈《えしゃく》を返しながら、悠々と階段を降り続けた。
庭には槙....
「星座」より 著者:有島武郎
った。俺も相当|鞠躬如《きっきゅうじょ》たらざるを得なかった。知合いの信者の家に
空間があるかもしれないからいっしょに出かけてみようといって、学校から七八町くらい....
「親子」より 著者:有島武郎
い嫌悪の情が彼を焦ら立たせるばかりだった。彼はそこを飛び出して行って畑の中の広い
空間に突っ立って思い存分の呼吸がしたくてたまらなくなった。壁訴訟じみたことをあば....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛が強烈に働くことが出来れば、私の生長は益※拡張する。そして或る世界が――時間と
空間をさえ撥無するほどの拡がりを持った或る世界が――個性の中にしっかりと建立され....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
った瞬間は来て過ぎ去ったが、不思議にもその胸には触れないでクララの体は抵抗のない
空間に傾き倒れて行った。はっを打って落ちながら一心不乱に聖母を念じた。 ふと光....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の進化期/太陽の消燼とその輻射の復活に関するカントの考え/デュ・プレルの叙述 ※
空間は無限で時は永久である/
空間の無限性に関してリーマン及びヘルムホルツ/恒星の....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
ながら、悪い夢にでもうなされた様な重い心になって居るかと思うと、突然暗黒な物凄い
空間の中に眼が覚める。周囲からは鼓膜でも破り相な勢で鉄と鉄とが相打つ音が逼る。動....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
互愛に充たされたる夫婦は、永久に別れて了うことはできない。兎角人間の考は、時間と
空間とに拘束されているので、われ等の住む世界の真相が、腑に落ち難いようである。愛....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデー自身が前に発見した電磁気廻転にしても、電流の通っている針金の周りの
空間が、その電流のためにある作用を受けているとして考えられる。また磁極の周りの空....