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空隙
「空隙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空隙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
いる一本の幹があれば、それには、別の茎がなん本となく纏《まと》わり抱きあい、その
空隙《あいだ》をまた、葉や巻髭が、隙間なく層をなして重なりあっているのだが、そう....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
その者の圧迫に堪《た》えかねて、彼らの入れられている箱の最も板の薄い処、もしくは
空隙(現代社会組織の欠陥)に向ってまったく盲目的に突進している。今日の小説や詩や....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一つ一つが、本板から巧妙な構造で遊離しているので、その周囲には、一辺を除いて細い
空隙が作られ、しかも、空気の波動につれて微かに振動する。それがなんとなく楽玻璃の....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
、法水はラザレフの室に入って行った。その室は、礼拝堂の円天井と鐘楼の床に挾まれた
空隙を利用しているので、梯状に作られてあった。扉に続いて二坪程の板敷があり、それ....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
て二百年ばかりになって聖宝が出た頃からいろいろ取囃されたもので、その間に二百年の
空隙があるから、聖宝の偉大なことやその道としたところはおよそ認められるが、小角が....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
の「藪柑子集」を抽き出して、これもしばらくページをめくっていたが、やがてまた元の
空隙へ押しこんだ。 そうして、次にはそれから少しはなれて、十四、五冊くらいおい....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
る。音響もまた原子の発散によるものと考えるから、音が壁を通過するのも壁の原子間に
空隙があるからだと言って説明している。これは今の学生の答案として見れば誤謬である....
「鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
て鐘の正常な定常振動を回復することができるであろうと考えられる。もっとも割れ目の
空隙が厚くなるほど、これを充填した血液の水分は蒸発し、有機物は次第に分解変化して....
「笑い」より 著者:寺田寅彦
もわかりようはない。従ってこれが数学的の取り扱いを許されるまでにはあまりに大きな
空隙がある。 それにもかかわらず笑いの現象を生理的また心理的に考える時にこの力....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
ませると、綿の繊維の部分が食い込まれ食い取られて向こう側へ落ち、堅くてローラーの
空隙を通過し得ない種子だけが裸にされて手前に落ちるのである。おもしろいのは、この....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
化と推移を連続的のものと見做そうとする傾向を生じた。そして事情の許す限りは物質を
空隙のないコンチニウムと見做す事によってその運動や変形を数学的に論じる事が出来た....
「夏の小半日」より 著者:寺田寅彦
す。これはどういうわけかというと、砂粒が自然のままに落ち着いている時は、粒の間の
空隙がなるたけ少ないようになっているが、足で踏んだりすると、その周囲の所は少し無....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
のわれ/\の生活と、ダンス・ホールとの間には、それを飛び越えるのにちよつと無理な
空隙があるので、それに気がつくと、「尻ごみ」をしたくなるのだが、一方、青年はもは....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
るところにある。 学校や職場を中心とする素人演劇の魅力と存在理由は、まさにこの
空隙を埋めるものであろう。 これと同じ理由で、演劇は時代に逆行し、または時代を....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いて、カナダライに水をナミナミと満した場合にはカナダライの内部が直接空気にふれる
空隙というものはなくなるのであるが、日本のウドンと支那のウドンのアイノコの場合に....